ステーブルコインは、「価格の安定」を実現するために生まれたブロックチェーン上のデジタル通貨です。その中でも代表的なのが USDT(Tether)と USDC(USD Coin)。
どちらも米ドルに連動して設計されており、日々の取引や送金、投資家の資金避難先として広く利用されています。
しかし、同じ「ドル連動型ステーブルコイン」であっても、発行主体や信頼性、利用シーンにおける特徴には違いがあります。
本記事では、USDTとUSDCの基本的な仕組みから、それぞれのメリット・デメリットまでをわかりやすく解説し、どちらを選ぶべきかの判断材料を解説します。
ステーブルコインとは?
ステーブルコインとは、米ドルや円などの法定通貨に価値を連動させ、価格の安定性を保つブロックチェーン上のデジタル通貨のことです。
価格変動の大きなビットコインやイーサリアムと違い、価値の安定性を重視した資産として、取引や決済、送金の中間通貨として広く利用されています。
その中でも特に流通量が多く、世界的に利用されているのがUSDT(Tether)とUSDC(USD Coin)です。いずれも1トークン=1米ドルの価値に連動する設計で、法定通貨担保型に分類されます。
*国際的には暗号資産の一部として取り扱われていますが、日本の資金決済法では、暗号資産に該当せず、「電子決済手段」として規定されます。
ステーブルコインは日本で買える?どこで買えるのか?についてはこちらで解説しています。
USDTとは?メリットやデメリットについて
USDT(Tether)は、Tether Limited社が発行する世界最大の流通量を誇るステーブルコインです。1USDT=1米ドルの価値を保つことを目的とし、主に米ドルや米国債などの資産を準備金として裏付けています。
2014年の登場以来、暗号資産取引所やDeFi、海外送金など、幅広い用途で利用されており、特に高い流動性が魅力です。
- メリット
圧倒的な流動性と採用実績:ほぼ全ての主要取引所・ネットワークで取引可能で、板が厚くスプレッドも狭い傾向。
多様な対応チェーン:EthereumやTron、BSC、Solanaなど複数ネットワークに対応し、送金コストやスピードを選びやすい。
- デメリット
透明性を巡る過去の議論:準備金の内訳や監査方法を巡って、過去に規制当局や市場から批判を受けた歴史がある。
参考:Tether
USDCとは?メリットやデメリットについて
USDC(USD Coin)は、米国のCircle社が発行し、暗号資産取引所Coinbaseと提携して運営されるステーブルコインです。
こちらも1USDC=1米ドルの価値を維持する設計で、準備金は米ドル現金や短期米国債など安全性の高い資産で構成されています。
発行元のCircle社は米国の規制を順守しながら運営しており、毎月大手会計事務所による監査を受け、準備資産レポートを公開するなど、透明性が高いことが特徴です。
2018年の発行以来、規制遵守と透明性の高さから、企業や金融機関での利用も拡大しています。
- メリット
高い透明性と規制準拠:準備金の詳細を毎月第三者監査で検証し、報告を公開。米国の法規制に則った運営体制を整備。
企業利用での信頼性:決済や会計処理での監査対応が求められる場合に選ばれやすく、企業間決済やWeb3サービスへの導入事例も多い。
- デメリット
流動性はUSDTに劣る場面も:グローバル取引量や板の厚さではUSDTに及ばない場合がある。
ステーブルコインUSDCの買い方、国内取引所での購入方法についてはこちらで解説しています。
参考:USD Coin
USDTとUSDCの違いとは?
項目 | USDT(Tether) | USDC(USD Coin) |
---|---|---|
発行年 | 2014年 | 2018年 |
発行元 | Tether Limited | Circle社 |
流通量(2025年8月時点) | 約1,640億ドル以上 | 約640億ドル前後 |
主な特徴 | 世界最大の流通量と高い取引量。ほぼ全ての取引所・ネットワークで利用可能 | 規制遵守と透明性を重視。米国の監査法人による月次報告を実施 |
監査・透明性 | 準備金報告は公表されるが、過去に不十分と批判された事例あり | 米ドル準備金を定期的に第三者監査し、公開 |
主な利用シーン | 高頻度取引、アルトコイン売買の基軸通貨 | 信頼性重視の送金、企業間決済、規制対応が必要な場面 |
USDTの特徴
流通量・取引量ともに世界トップ。特に新興国や新興取引所での採用率が高く、取引の基軸通貨として幅広く利用可能。
一方で、過去に準備金の透明性を巡って規制当局や市場から批判を受けた経緯がある。
参考:Tether
USDCの特徴
米国の規制遵守を前面に打ち出し、発行元のCircle社は米ドル準備金を安全資産(現金・米国債)で保有。監査報告を毎月公開しており、透明性と信頼性を重視するユーザーや企業に選ばれる傾向。
流通量はUSDTに及ばないが、金融機関や大手企業との提携事例が増えている。
まとめると、USDTは取引量と流通規模の大きさが強み、USDCは規制遵守と透明性が評価される点が強みです。
どちらも1米ドルに連動する設計ですが、「流動性のUSDT」「信頼性のUSDC」という違いがよく語られます。
参考:USD Coin
ステーブルコインはどこで買う?日本で買える?
出典:SBI VCトレード
日本円でのUSDC売買・入出庫に対応、国内で唯一の取引サービスに
SBIホールディングス株式会社の連結子会社であるSBI VCトレード株式会社は、2025年3月26日19時より、米ドル連動型ステーブルコイン「USDC(ユーエスディーシー)」の一般向け取扱いを開始しました。
SBI VCトレードは、日本国内で初めて、日本円でUSDCを売買・入出庫できるサービスが提供されました。USDCの取扱いチェーンはイーサリアム(ERC-20)のみとなっており、他のチェーンでの入庫には対応しておりません。今後、順次対応チェーンを拡大する予定です。
また、米ドル定期預金を上回る収益が期待できるUSDCレンディングサービスの早期提供開始を目指すとしています。
一方で、USDTは国内取引所での取り扱いがありません。そのため、海外取引所を利用する必要があります。
SBI VCトレードとは?
出典:SBI VCトレード
取引所 | SBI VCトレード |
取扱銘柄数 | 36銘柄 |
板取引可能な銘柄数 | 8銘柄 |
取引所手数料 | Maker:-0.01% Taker:0.05% |
販売所手数料 | 無料 ※別途スプレッド手数料あり |
出金手数料 | 無料 |
送金手数料 | 無料 |
積立投資 | ◯:500円〜 |
レバレッジ取引 | ◯:13銘柄 |
ステーキング | ◯:13銘柄 |
レンディング | ◯:34銘柄 |
SBI VCトレードのは、SBIグループが運営する暗号資産取引所です。
SBI VCトレードは、豊富なラインナップ、各種手数料無料、セキュリティの安全性が支持され、人気の取引所になっています。
SBI VCトレードの特徴やおすすめポイントについて
SBI VCトレードの特徴やおすすめポイントについて解説していきます。
オススメポイントまとめ
- 取扱銘柄が豊富!
- 日本円で購入できる!
- 各種手数料が無料!
- 最短当日から取引できる!
- 安心のセキュリティ環境!
理由1:取扱銘柄が豊富
出典:SBI VCトレード
ビットコイン(BTC)はもちろん、イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)、ドージコイン(DOGE)、シバイヌコイン(SHIB)など人気のアルトコインを含む36銘柄の暗号資産を取り扱っています。
また、国内初の米ドルの価格に連動したステーブルコイン「USDC」取引サービスを開始しました。
取扱銘柄
BTC | ETH | XRP | LTC | BCH | DOT | LINK | ADA | DOGE | XLM | XTZ | SOL | AVAX | MATIC | FLR | OAS | XDC | SHIB | DAI | ATOM | APT | HBAR | ZPG | NEAR | ALGO | APE | AXS | BAT | CHZ | ETC | MKR | OMG | SAND | TRX | NIDT | USDC
参考:SBI VCトレード公式サイト
ビットコインは1円から、イーサリアムは5円から購入するこ
また、レバレッジ取引、ステーキング、レンディングから積立投資まで幅広く充実したサービスを提供しています。
理由2:日本円で購入できる
出典:SBI VCトレード
SBI VCトレードは、USDCを日本円で取引できます。
SBI VCトレードに国内初上場しました。
日本円で取引できるので、海外取引所を利用する手間が省けます。
理由3:各種手数料が無料!
取引所 | SBI VCトレード |
入金手数料 | 無料 |
取引所手数料 | Maker:-0.01% Taker:0.05% |
販売所手数料 | 無料 |
出金手数料 | 無料 |
送金手数料 | 無料 |
参考:SBI VCトレード公式サイト
SBI VCトレードは、各種手数料が基本的に無料です。
特に、暗号資産に慣れている方なら、外部のマーケットでNFTを購入したり、海外の取引所で取引をしたりする方もいらっしゃるかもしれません。
その際に、送金手数料を無料で暗号資産を送れるのは大きなメリットです。
さらに、取引所のメイカー注文にはマイナス手数料を採用しています。
- Maker:-0.01%
- Taker:0.05%
手数料が低いため、利便性が高い取引所といえます。
理由4:最短当日から取引できる!
出典:SBI VCトレード
- メールアドレスの登録
- スマホで簡単「本人確認」
- 口座開設完了
SBI VCトレードの口座開設は、簡単3ステップで完了し、最短で当日に取引を開始できます。
仮想通貨の市場は価格変動が大きく、取引のタイミングが重要です。そのため、迅速に取引を開始できる点は非常に助かります。
*なお、口座開設が当日に完了することを保証するものではありません。申込状況や審査過程、提出された本人確認書類に不備がある場合など、通常よりも時間がかかることがあります。
参考:SBI VCトレード公式サイト
理由5:安心のセキュリティ環境!
SBIホールディングス株式会社は、東京証券取引所のプライム市場に上場しており、その完全子会社としてSBI VCトレードがあります。
参考:SBI VCトレード公式サイト
SBI VCトレードは、日本の法律と規則に厳密に従いながら、最高水準のセキュリティを用いてユーザー資産を管理しています。
SBI VCトレードは、豊富なラインナップ、使いやすさ、セキュリティの安全性が支持され、人気の取引所になっています。
ステーブルコインUSDC(USD Coin)の購入方法・買い方
ステーブルコインUSDCの買い方・購入方法を解説します
SBI VCトレードの口座開設は、簡単3ステップで完了し、最短で当日に取引を開始できます。
*なお、口座開設が当日に完了することを保証するものではありません。申込状況や審査過程、提出された本人確認書類に不備がある場合など、通常よりも時間がかかることがあります。
step
1SBI VCトレードで口座開設する
まずは、以下のボタンから公式サイトにアクセスしてください。
出典:SBI VCトレード
ステップ1:メールアドレスの登録
ログイン時に使用するメールアドレスを入力し、「メールアドレスで登録」をクリックします。
ステップ2:メール認証とパスワード設定
登録したメールアドレス宛に届いたメールを開き、本文内のURLをクリックします。
遷移先のページで、ログイン用のパスワードを入力して設定すれば仮登録が完了です。
ステップ3:電話番号の認証
電話番号を入力し、「SMS認証」または「電話認証」のどちらかを選択して「登録」をクリックします。
届いた認証コードを画面に入力し、「認証する」を押してください。
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2基本情報を入力する
つぎに、氏名や投資経験、銀行口座情報など、口座開設に必要な基本情報を入力していきます。
住所は、郵便番号を入力することで自動的に住所が反映される「住所検索」機能を利用できます。
すべての項目の入力が完了したら、「次の画面へ」をクリックして進みましょう。
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3本人確認する
スマートフォンから以下の本人確認書類のいずれかを選択することで、「スマホでかんたん本人確認」を利用できます。
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- 在留カード
- 特別永住者証明書
スマートフォンのカメラを使用し、本人確認書類を撮影します。
つぎに、カメラでの自撮りによって、申請者本人の顔写真を撮影します。
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4日本円を入金する
本人確認の審査が完了したら、公式サイトにログインします。
「入出金」の項目を選択します。
入金に使用する銀行口座を選択します。
入金額を入力し、「同意する」にチェックを入れます。
金融機関サイトへをクリックし、画面に従って入金手続きを済ませましょう。
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3USDCを購入する
メニュー内の「買う」を選択し、USDCをクリックします。
購入したい数量を入力します。
「買う」ボタンをクリックすると、購入が完了します。
【中級者向け】「トレーダーモード」で取引する方法
SBI VCトレードでは、中上級者向けにより高機能な取引機能「トレーダーモード」を提供しています。
ここでは、注文方法やチャート分析、取引画面のカスタマイズなどが可能となっています。
以下に利用方法について解説していきます。
SBI VCトレードにログインしたら、「トレーダーモード」へ切り替えます。
画面上部の「テンプレート」から「販売所」を選択します。
USDC/JPYを選択することで、USDCのチャート画面や分析をしながら取引が可能です。
まとめ
USDTとUSDCは、どちらも米ドルに価値を連動させたステーブルコインですが、それぞれに特徴と役割があります。USDTは世界で最も利用されている流動性の高さが強みで、取引所や市場での利便性が際立ちます。一方のUSDCは、規制遵守や透明性の高さに重点を置いており、安心感を求めるユーザーや法人利用に適しています。
ステーブルコインを選ぶ際には、「流動性の高さを重視するのか」「信頼性や透明性を重視するのか」といった利用目的を基準にすると、自分に合った選択ができます。どちらが絶対に優れているというものではなく、シーンや目的に応じて使い分けることが、より安全で効率的な暗号資産の活用につながるでしょう。