金融庁、2026年度に「暗号資産・ステーブルコイン課」を新設へ
金融庁が2026年度の組織再編で、監督局内に「暗号資産・ステーブルコイン課」を新設する方針を固めたことが分かりました。新設は2026年夏を予定しており、暗号資産やステーブルコインを巡る監督体制を、専任の課としての動きとなります。
金融庁が公表した令和8年度(2026年度)の予算案および機構・定員に関する資料では、監督局の再編の一環として、「資金決済課」と並び「暗号資産・ステーブルコイン課」を設置すると記載されています。新課は、既存の関係参事官を課長に名称変更する形で設けられ、定員は4人の純増が見込まれています。
金融庁は2025年8月に行った令和8年度機構・定員要求の段階で、「暗号資産・イノベーション課」の新設を当初案として掲げていました。その後、関係各所との調整を経て、2025年12月の最終決定では、「暗号資産・ステーブルコイン課」という名称で組織再編が固まっています。
この名称変更を巡っては、「イノベーション」という言葉が外れたことで、方針が後退したのではないかと受け止める声もあります。金融庁の公式資料や説明を踏まえると、今回の変更は後退というよりも、監督の重点領域をより明確にしたものといえそうです。とりわけステーブルコインについては、国際的な議論の積み重ねと国内制度整備の進展を背景に、暗号資産監督の中核テーマとして位置づけられた可能性が高いとみられます。
組織面に目を向けると、今回の課新設は、2025年7月に設けられた「暗号資産・ブロックチェーン・イノベーション参事官室」を課レベルへと引き上げる位置づけとされています。暗号資産やブロックチェーン技術に関する監督・支援体制を強化するもので、金融庁内での扱いが一段階引き上げられた形です。現時点で、暗号資産分野に対する姿勢が弱まったことを示す兆候は確認されていません。
金融庁は今回の組織再編の目的について、「金融分野におけるデジタル技術の進展への対応力強化」と説明しています。暗号資産取引やステーブルコイン、生成AIといった技術が金融サービスに与える影響が拡大する中で、専門性を持つ組織体制を構築する必要があるとの判断が背景にあるとみられます。
暗号資産市場では、交換業者や発行体にとって、監督窓口が明確化されることで、制度対応や当局との対話を進めやすくなるとの見方があります。その一方で、専任課の設置は、監督の目がより細かく行き届くことを意味し、コンプライアンス体制の一層の強化が求められる局面に入ったともいえそうです。
今後は、新設される暗号資産・ステーブルコイン課が、どの分野に重点を置き、どのような運用方針を示していくのかが注目されます。
