米暗号資産取引所Krakenの親会社Paywardが進めていた新規株式公開(IPO)計画が、足元でいったん棚上げされたもようです。
Paywardは2025年11月19日、普通株式のIPOに向けて米証券取引委員会(SEC)へForm S-1登録声明のドラフトを機密裏に提出していましたが、2026年3月に入り、厳しい市場環境を背景に計画を凍結したとCoinDeskが報じました。
Krakenが11月に公表した内容は明確でした。PaywardはSECに対し、IPOに向けたS-1のドラフトを機密提出したものの、売り出し株数や想定価格帯は未定で、上場の実施はSECの審査完了後、市場環境やその他の条件次第だとしていました。つまり、当初から上場時期は外部環境に左右される前提にあったことになります。
その前提が崩れた格好です。CoinDeskは事情に詳しい関係者2人の話として、Paywardが数十億ドル規模とみられていたIPO計画をいったん停止したと報道しました。
背景には、2025年10月にビットコインが過去最高値を更新した後の反落局面があります。ロイターによると、ビットコインは2025年10月上旬に12万5,000ドルを超え、その後も一時12万6,000ドル台に達しましたが、2026年2月には6万1,000ドルを下回る場面がありました。価格下落と取引量の鈍化が重なり、暗号資産関連企業の評価を取り巻く空気は急速に厳しさを増していました。
Krakenが市場環境の改善まで前進しない可能性が高いと伝えました。完全な中止ではなく、条件が整えば再開余地を残しているとの見方が市場では広がっています。
Krakenは近年、暗号資産の現物取引にとどまらず、米株やETF、先物など伝統資産にも提供領域を広げてきました。11月の発表でも、同社は450超のデジタル資産に加え、米国上場株やETF、米先物、法定通貨を扱うプラットフォームへ拡張していると説明していました。
上場準備は、こうした事業の多角化を資本市場に示す機会でもあっただけに、今回の足踏みはKraken単体の話にとどまらず、暗号資産企業の株式市場デビューがいかに市況に左右されやすいかを映し出しています。
参照:公式