Apex Groupは3月19日、トークン化資産のグローバル展開に向け、T-REX Ledgerを同社のデフォルトのマルチチェーン基盤として採用すると発表しました。
Apex Groupはグローバルで3.5兆ドル超の資産を管理・運用しており、2027年6月までに1000億ドル規模のトークン化資産をT-REX Ledger上で展開する方針も打ち出しています。
Apex GroupがT-REX Ledgerを基盤に採用、1000億ドル展開を表明
今回採用されたT-REX Ledgerは、Polygon CDKで構築された機関投資家向けのコンプライアンス特化型ブロックチェーンです。
AggLayerを通じて複数チェーンに接続し、投資家の適格性確認、譲渡制限、所有権記録を共有参照レイヤーとして一元管理します。
各チェーンが個別に決済を行っても、コンプライアンスの判定や投資家記録は共通の基盤を参照する仕組みで、トークン化証券をチェーン横断で移動させてもルールや記録が分断されにくい設計です。
複数チェーンで投資家認証と所有記録を一元管理

Apex Groupは、こうした仕組みを自社のファンド・資産管理基盤に組み込みます。
T-REX Ledgerを中立的なオーケストレーション層と位置付け、複数のブロックチェーンや従来の流通チャネルをまたぐ投資家記録、コンプライアンスチェック、移転管理を同期させる考えです。
発表時点で同社はオンチェーンのトランスファーエージェントとしても機能するとされ、トークン化資産の流通管理により深く関与していく構図が鮮明になりました。
ERC-3643は140超の機関で320億ドル超をトークン化
背景にあるのは、トークン化資産が単一チェーン上の実証実験から、複数ネットワークを前提とした実運用段階へ移りつつあることです。
資産が異なるチェーンやアプリケーションをまたいで流通するようになると、どの投資家が保有可能か、どの法域の規制が適用されるか、最終的な所有者が誰かといった情報がネットワークごとに分断されやすくなります。
T-REX Ledgerはその断絶を埋めることを狙った基盤であり、Apex Groupはそこに1000億ドルという具体的な数値目標を乗せた格好です。
OnchainIDで投資家単位のKYC・AML管理に対応
中核を担うのは、Tokeny Solutionsが開発したオープンソース標準「ERC-3643」です。この標準は、投資家の本人確認や保有資格、譲渡制限といった要件をトークンに組み込める点が特徴で、すでに140超の機関が参加し、320億ドル超の資産がトークン化されています。DTCCやDeloitteなどの機関も関与しており、実務レベルでの採用が進んでいます。
Apex Groupの発表では、コンプライアンスはウォレット単位ではなく投資家本人にひも付くと整理されています。OnchainIDを通じてKYC・AMLの認証情報を統合し、資格の失効や法域要件との不一致があれば自動的に移転を制限する仕組みです。
参照:公式
