ビットコインL2「Stacks」を手がけるStacks Labsは3月17日、昨年11月に有効化されたアップグレード「SIP-034」によって、特定のビットコインDeFiアプリケーションの有効処理能力が最大30倍に高まったと発表しました。
ビットコインの決済レイヤーを維持したまま、複雑なDeFi処理で生じやすい詰まりを和らげる改良として関心を集めています。
今回Stacks Labsが強調したのは、2025年11月18日にBitcoinブロック923222でメインネットに反映された「Clarity 4」の一部であるSIP-034です。Clarity 4はSIP-033とSIP-034からなり、Stacksのスマートコントラクト実行環境を広げる更新として導入されました。
Stacksネットワークでは、各トランザクションをRun Time(CPUサイクル)、Read Count、Read Length、Write Count、Write Lengthの5つのリソース次元で測定し、各ブロックに厳格な上限を設けています。これまでは、ビットコインブロックの途中でtenure extensionが発生すると、この5つの予算をまとめてリセットしていました。
SIP-034ではこの扱いを見直し、上限に達した次元だけを個別にリセットできるようにしました。読み取り処理が多い一方で、書き込みや実行時間にはまだ余裕があるようなアプリケーションでは、1つの予算が先に尽きた時点でブロック全体の処理が早々に止まりにくくなります。とくに集中流動性AMMや高度なAMMのようなread-heavyなDeFiで効果が大きいとされています。
実際の効果について、Stacks LabsはBitflowの集中流動性AMMや、新たなHODLMMなどの早期統合プロジェクトを例示しています。これらのケースでは、実運用に近い条件下で最大30倍のeffective throughput gainsが見込まれるとしています。
この「最大30倍」はネットワーク全体のTPSが一律に30倍になるという意味ではなく、あくまで特定のread-heavyなDeFiアプリにおける有効処理能力の推定値です。
Stacksは、ビットコインをベースレイヤーに据えながらスマートコントラクトを扱えるL2として開発が進められてきました。NakamotoアップグレードやsBTC導入を通じて、ビットコインネイティブのDeFi基盤を整えてきた経緯があり、今回のSIP-034はその流れの中で、セキュリティモデルを崩さずに処理効率を引き上げる改良といえます。
参照:公式
