GnosisとZiskは3月29日、フランス・カンヌで開催中のEthCCで、イーサリアム財団の共同出資を受けた新たなロールアップフレームワーク「Ethereum Economic Zone(EEZ)」を発表しました。Ethereum L1と参加するL2ロールアップを単一の経済圏として扱う構想で、L2拡大に伴って深まっていた流動性やユーザー体験の分断に、技術面から対応する内容です。
発表によると、EEZの中核は「同期的なcomposability」にあります。参加ロールアップ上のスマートコントラクトは、単一トランザクションの中でEthereumメインネット、あるいは他のEEZ参加ロールアップ上のコントラクトを呼び出せる仕組みです。
追加のブリッジを前提とせず、ガストークンはETHを標準とします。L2ごとに流動性プールやブリッジが分かれ、利用者がチェーン間移動を意識せざるを得ない現状に対し、利用感をL1に近づける狙いがあります。
この仕組みを支えるのが、ZiskのZKVMによるリアルタイム証明です。発表の場でZisk創業者のJordi Baylina氏は「Ethereumブロックをリアルタイムで証明できるZKVMの開発に2年を費やした。ロールアップ間の同期的なcomposabilityは、もはや理論ではない」と語りました。Ziskの公式サイトでも、同プロジェクトがゼロ知識証明ベースの仮想マシン開発を進めていることは確認できますが、EEZそのものの詳細が示されたのは今回が初めてです。
Gnosis共同創業者のFriederike Ernst氏は、今回の狙いをより端的に示しています。「Ethereumにあるのはスケーリングの問題ではなく、断片化の問題だ。独自の流動性プールと独自ブリッジを持つ新たなL2が立ち上がるたびに、別々の囲い込み空間が増えていく」と述べ、L2の増加そのものよりも、相互運用性の欠如が課題だとの認識を示しました。
組織面では、EEZはスイスの非営利組織として発足し、ソフトウェアはすべてフリーかつオープンソースで公開する方針です。ガバナンスは最小限に抑え、最終的にはアップグレード不能な形を目指すとしています。
初期の参加者・パートナーとしては、Aave、Titan、Beaver Build、Centrifuge、xStocksの名前が挙がりました。もっとも、現段階では枠組みの発表が先行しており、実際にどのような形で統合が進むのかは、今後公開される仕様書の内容が焦点となりそうです。
参照:報道