LINE Mini Dappの最新動向を紹介するイベントが、0x Consulting GroupとCaveDAOの共同主催で開催されました。
注目セッションでは、LINEヤフーグループのWeb3事業を担うLINE NEXTと、人気Mini Dappsタイトル「Elderglade」を手がけるW3ForgeのCEO・Adomas氏が登壇。
LINEアプリ上で完結するWeb3アプリ「Mini Dapp」の事例や、「Elderglade」が日本市場で急成長を遂げた背景について語られました。
本記事では、両者の講演内容をもとに、「Mini Dapp」がもたらすWeb3の未来を読み解きます。
LINE上で完結するWeb3体験──「Mini Dapp」がもたらす新たな可能性とは
LINEヤフーグループにおけるWeb3事業を推進するLINE NEXTが登壇し、同社の戦略と注目プロダクト「Mini Dapp」について語りました。
登壇したのは、日本法人LINE NEXT Startに所属する栗原氏。「LINE」アプリを基盤に、気軽にWeb3体験ができる同社の取り組みが紹介されました。
「LINEといえば、日本ではほとんどの方が利用しており、特に日本、タイ、台湾の3カ国を中心に、グローバルでの月間アクティブユーザー(MAU)は約2億人に達しています。」
LINE上で完結するWeb3アプリとして大きな注目を集めているのが、Mini Dapp。
「Mini Dappは、LINEのメッセンジャーアプリ上で使えるWeb3アプリです。そして、Dapp PortalはそれらのWeb3アプリを集めたプラットフォームになっています。
ユーザーはDapp Portal上でMini Dappをすぐに遊べるだけでなく、ウォレットの作成やトークンの受け取りなど、すべての体験が簡単にLINE上で完結します。」
「従来のWeb3ゲームでは、まずMetaMaskをインストールし、ウォレットを作成し、さらに外部マーケットプレイスを利用するなど、多くの手間がかかりました。
しかし、Mini Dappなら、LINE上で簡単にWeb3体験ができるのが大きな強みです。」
ゲームを含む様々なDappsを、専用アプリ不要で遊べるのが最大の魅力。
LINE NEXTは開発者向けにMini Dapp SDKを提供し、これを導入することで、Kaiaチェーンとの接続やDapp Portalへのオンボードが可能になります。
現在はゲームを中心に展開されていますが、今後はゲーム以外の領域での活用も視野に入れています。
「ゲーム以外にも、Mini Dappを活用できるシーンはたくさんあります。特に、LINE公式アカウントを運用している企業様にとって、新たなマーケティングツールとしての可能性があります。」
LINEのデベロッパー仕組みを活用すれば、すでに運用しているLINE公式アカウントにMini Dappの機能を追加することができます。
企業は既存のユーザープールに対して新しい価値を提供できます。」
「例えば、カフェのような店舗では、来店ポイントをMini Dapp上で管理し、一定数貯まるとランキング上位者に特典としてトークンを配布する、といった仕組みも可能になります。
こうした機能を活用すれば、LINEの通知を通じてユーザーに日常的にリーチしつつ、Web3体験を無限に作っていける可能性があります。」
さらに、イベントではDapp Portalの最新のユーザー動向についても明かされました。
「リリース当初から順調に成長を続けており、多くのユーザーに利用されています。」
具体的な数値も発表されましたが、詳細は非公開情報として扱われています。日本が引き続き主要な市場でありながら、他の国々でも利用が拡大していることが確認されました。
売上に関する具体的な数値も、イベント参加者限定の情報として共有されました。
「また、トップのMini Dappタイトルも堅調に売上を伸ばしており、Web3ゲームにおけるユーザーの課金動向がしっかりと見えてきたかなと感じています。」
「最近の成功事例として、Mint Town社が提供する『キャプテン翼ライバルズ』が、Dapp Portal内で歴代のデイリー売上ナンバーワンを記録しました。」
3月20日(木)にガチャ機能を実装したことで注目を集め、ユーザーからの高い関心がうかがえます。
「やはり日本のユーザーは、ソシャゲ時代からの流れから『IPタイトル×ガチャ』の組み合わせに非常に親和性が高い形となっています。」
こうした成長傾向を踏まえ、Mini Dappのさらなる普及に向けた施策を進めていく意向を示しました。
Eldergladeが語る成功の鍵──Mini Dapp急成長の裏側と今後の展望
続いて登壇したのは、ゲームスタジオW3ForgeのCEO・Adomas氏。同社が開発するMini Dappタイトル「Elderglade」の事例が紹介されました。
Eldergladeは2024年10月にリリースされ、2025年1月よりLINE Mini Dappへの展開を開始。現在は世界180カ国で1,100万人以上のユーザーを獲得しています。
Adomas氏は、急成長の背景として「まずは良いプロダクトを作ること」を最優先したと語ります。
「当時のWeb3ゲームの多くは、実際にはゲームというよりステーキングファームのようなものでした。
私たちは“面白さ”を第一に考え、その上で、ブロックチェーン技術をどのように組み込めば、より良いユーザー体験を提供できるかを考えました。」
「もう一つの要因は、各地域ごとに適切なマーケティング戦略を展開したことです。
たとえば、日本市場に進出する際には、LINE Mini Dappを活用することが最適解でした。なぜなら、日本のユーザーはLINEを日常的に利用しており、アプリをインストールすることなく、ダイレクトにゲームを始められるからです。」
日本ではLINE Mini Dapp、他の地域ではTelegramを活用するなど、地域ごとに異なる導入戦略を展開しました。
「LINEでのコンバージョン率は約10%で、カジュアルゲームとしては非常に高い数値です。一般的には2〜5%程度です。」
Adomas氏は、日本市場がEldergladeにとって極めて重要なエリアだと強調します。
「初期は日本市場で苦戦しましたが、Mini Dappへの参加をきっかけに一気にユーザーが拡大しました。日本のユーザーはデジタル資産への理解も深く、購入意欲が非常に高い理想的な市場です。」
今後は1,500万人規模のユーザー獲得と、従来比で2倍以上の収益も視野に入れており、さらなる成長が期待されています。
ブロックチェーン導入の背景について伺うと、自身のゲーマーとしての経験がベースにあると明かします。
「私自身もゲーマーとして、多くのゲームをプレイしてきました。しかし、従来のゲームでは、ゲームがサービス終了すると、それまでに獲得したアイテムや資産がすべて消えてしまうという問題がありました。
そこで、NFTを活用し、ユーザーに所有権を持たせることができれば、ゲームが終わっても資産として残ります。
これがゲームとブロックチェーンの相性の良さを感じたきっかけであり、今では多くのWeb3ゲームが誕生しています。」
現在はミニゲームとして提供されている「Elderglade」ですが、今年第3四半期には本格的なRPGとしての展開を予定。さらに、将来的にはRobloxのように、ユーザーや開発者が共通アセットを用いて独自のゲームを作ったり、プレイできる環境の構築も視野に入れています。
最後に、ブロックチェーン市場において、今後注目すべき領域についても言及しました。
「現在、Web3市場で最も成長の可能性があるのは、RWA(リアルワールドアセット)の分野だと考えています。実世界の資産をトークン化し、デジタル取引を可能にすることで、新たな市場が生まれています。」
Eldergladeは、「まずは良いゲームを作る」という基本を徹底し、地域ごとの戦略的な市場開拓を行うことが、グローバルでの急成長を支えていました。
今後のRPG展開により、引き続き注目が集まりそうです。
まとめ
本イベントでは、LINE NEXTとW3Forgeが登壇し、LINE上で完結するWeb3アプリ「Mini Dapp」の可能性と、その成功事例として急成長を遂げる「Elderglade」の戦略が紹介されました。
LINEを基盤とした手軽な導入体験や、Mini Dappを活用した今後の展開など、Mini Dappが描く新しいWeb3の形が浮き彫りになりました。
今回イベント主催の0x Consulting Groupからは、Mini Dappのマーケティングツールとしての可能性にも言及。
「たとえば、Mini Dapps上のタスクからLINE公式アカウントへ遷移させることで、公式アカウントをお友達に追加しているユーザー数の増加を図ることができます。
さらに、外部サービスへの動線に特典付きのタスクを設定することで、課金以外のKGIへのコンバージョンの向上を図るといった活用も可能です。」
ゼロからの開発支援体制についても紹介され、ゲームやブロックチェーンに知見のない企業でも、「立ち上げパック」や「プロモーションパック」を通じて包括的な支援を受けられることが強調されました。
お問い合わせはLINE公式アカウントより受け付けているとのことです。
今後も、0x Consulting Groupではキープレイヤーを招いたイベントの開催を予定しているとのこと。
次回は「LINE Dapp Portal Festa」と題し、4月16日に開催されるTEAMZカンファレンス期間中に、急成長を遂げる「Dapp Portal」の成長の背景や、既存サービスへの効果的な活用方法を紹介するセッションが予定されています。
Mini DappやWeb3の可能性に関心のある方は、ぜひ次回イベントへの参加を検討してみてください!