米証券取引委員会(SEC)は3月18日、ナスダックが申請していたトークン化証券の取引を可能にするルール変更を正式承認しました。承認対象は「SR-NASDAQ-2025-072」で、2026年1月に提出されたAmendment No. 2を反映した内容です。
Depository Trust Company(DTC)のトークン化実証プログラムに参加できる資格を持つ市場参加者は、対象となる株式や上場投資信託(ETP)のトークン化した証券をナスダック上で売買できる道筋が整いました。
トークン化した証券を同一注文簿で取引可能に
今回の承認で特徴的なのは、トークン化した証券が既存市場の外側に切り出されるのではなく、従来型の証券と同じ注文簿で扱われる点です。
SECの承認命令によると、対象となるトークン化した証券は、従来型の証券と同じティッカー、同じCUSIP、同じ権利を持ち、価格形成や執行順位も同一です。
取引所の売買ルール、監視、報告、清算・決済の枠組みも維持されるため、SECは投資家保護や市場の公正性を損なわない仕組みだと判断しました。
対象は主要株式と指数連動ETF
対象銘柄は、制度開始時点でラッセル1000指数に採用されている株式と、その後に追加される構成銘柄のほか、S&P500やナスダック100指数など主要指数に連動するETFが中心になります。
ナスダックは、どの銘柄がトークン化した証券として取引可能かについて、会員向けの「Equity Trader Alert」で順次示す方針です。
SECは既存の証券規制の適用を明確化
今回の承認は、SECが年初から示してきた考え方とも整合的です。SECの企業金融局、投資運用局、トレーディング・アンド・マーケッツ局は1月28日に公表した共同声明で、トークン化証券は暗号資産の形を取っていても、証券としての本質が変わるわけではないと明示しました。証券の所有記録の一部または全部が暗号資産ネットワーク上で管理されていても、連邦証券法の適用は変わらないという整理です。
この見解は、トークン化を新しい資産クラスとして特別扱いするのではなく、既存の証券規制の中に位置付けるという米当局の姿勢を鮮明にしています。今回ナスダック案が承認されたことで、ブロックチェーン技術を用いた証券流通が、規制の空白地帯ではなく、既存の証券市場ルールの下で段階的に制度化される方向がよりはっきりした格好です。
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