日本経済新聞は4月8日、ソニー銀行がソニーグループのゲーム、音楽、映画などエンターテインメント事業の決済基盤にステーブルコインを取り入れる案を示したと報じました。狙いは主力事業に少額決済を広げ、手数料の圧縮と海外取引の効率化で収益を押し上げることです。
案では、ソニーが進める「エンゲージメントプラットフォーム」の中核にステーブルコインを据え、グループ内のアカウントを横断して利用者データと決済情報を結び付けることを想定しています。
こうした仕組みはゲーム内課金や音楽・映像コンテンツの小口決済を扱いやすくする狙いです。ソニー銀行の渡邉尚史専務執行役員は「データ駆動型の世界とブロックチェーン技術は良い組み合わせだ」と述べ、マイクロペイメントの普及が売上の伸びにつながると見ています。
この提案は、ドル建てと円建ての双方で進められている準備と結び付いています。ソニー銀行は2025年12月1日、米Bastionと提携し、米ドル連動型ステーブルコインの発行に向けた準備を始めました。
Bastionは、ソニーのエンタメやゲーム、アニメの支払い支援を想定した取り組みだと説明しています。Bastionのナシム・エデキウアクCEOは、協業がよりプログラマブルで効率的なグローバル金融システムの土台になると述べています。
円建ての対応も並行して進んでいます。3月2日にはJPYCと基本合意書を結び、ソニー銀行の顧客口座からリアルタイムでJPYCを購入するテストを検討しているとされています。ドル建ては海外向けのコンテンツ課金や越境決済に、円建ては国内ユーザーの即時購入に使い分ける余地があり、エンタメ事業全体への導入に向けた実務面を支える動きになっています。
ステーブルコインは、価格変動の大きい暗号資産とは性格が異なります。法定通貨に連動するデジタル決済を使えば、数十円から数百円規模の課金でも手数料を抑えやすく、国境をまたぐ支払いの着金や換金も簡素化しやすくなります。ゲーム内アイテムや音楽の単曲課金、映像の都度課金など、件数が多く単価の低い取引では、決済コストの差が収益に響きやすい構造です。
参照:報道
