米連邦捜査局(FBI)が2025年12月19日に公表した2025年版インターネット犯罪報告書で、暗号資産関連の被害額は11億3,666万ドル(約1.8兆円)に達し、前年比22%増でした。苦情件数も18万1,565件(21%増)で、AIを悪用した詐欺の巧妙化が被害拡大に拍車をかけています。個人投資家は警戒を強める必要があります。
FBIの集計では、2025年の暗号資産関連犯罪の平均被害額は6万2,604ドルでした。被害の中心は投資詐欺で、損失額は約72億ドル(約1.1兆円)に上ります。SNSやメッセージアプリで接触し、利益が出ているように見せかけて偽の投資サイトやアプリに送金させる手口が広がっています。こうした詐欺の多くは東南アジアを拠点とする組織犯罪と結びついています。
10万ドル超を失った被害者は1万8,589人に達しています。いったん資金をだまし取った後で「取り戻せる」と持ちかけて追加送金を迫る回復詐欺や、偽のサポート窓口を装うテクニカルサポート詐欺も確認されています。FBI報告書では、投資詐欺が詐欺全体の損失の約41%を占め、暗号資産が主要な標的になっているとしています。
AI悪用、仮想通貨詐欺の信ぴょう性を押し上げる
報告書では、AI関連のインターネット犯罪も急増しました。苦情件数は2万2,364件、被害総額は8億9,334万ドル(約1,400億円)で、このうち7,623件が暗号資産に関連しています。FBIは、犯罪者がAIを使って本物らしい文章、画像、音声、動画を大量に生成し、被害者の警戒心を下げていると指摘しています。
具体例としては、音声クローニング(本人そっくりの声を人工生成する手口)による家族なりすまし詐欺があり、この手口だけで1,904万ドル超の被害が出ました。投資詐欺では、有名人が推奨しているように見せるディープフェイク動画を使い、偽の暗号資産案件や送金先へ誘導するケースが増えています。FBIは、サイバー犯罪者がAIで信ぴょう性の高いコンテンツを大量に作ることで検知を難しくしていると指摘しています。
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