暗号資産取引所クラーケンの親会社ペイワードは5月8日、米通貨監督庁(OCC)に国家信託会社憲章を申請したと公表しました。これは免許の取得ではなく申請段階の動きです。承認されれば「Payward National Trust Company」を設立し、機関投資家と個人顧客向けにデジタル資産のフィデューシャリー・カストディ(受託者責任を伴う保管)や関連する信託サービスをOCCの監督下で提供する計画です。
ペイワードはBusiness Wire経由のプレスリリースとクラーケン公式ブログで、新会社の主力業務を「regulated, bank-level custody and trust services」、つまり銀行水準の保管・信託サービスと説明しました。狙いは、機関投資家が運用規則上重視する「federally regulated qualified custodian(連邦規制下の適格カストディアン)」としての受け皿になることです。
PNTCは、ペイワードの既存インフラ、リスク管理体制、コンプライアンス・プログラム、規制下にある関連会社の枠組みを使って運営する方針です。米国の規制環境が整備に向かうなか、連邦監督の下にあるカストディ基盤を厚くし、機関資金を受け入れやすい体制を整える狙いがにじみます。
Kraken Financialはすでに、ワイオミング州の特別目的預託機関(SPDI、暗号資産向け銀行免許の一種)として動いています。クラーケンは同社を、連邦準備制度のマスターアカウントを持つ初のデジタル資産銀行と位置づけています。
審査が進み承認に至れば、ペイワードはPayward National Trust Companyを立ち上げ、Kraken Financialと役割を分けながら運用する方針です。次の節目は、OCCの審査を経てPNTCが設立され、機関投資家と個人顧客向けのデジタル資産カストディと信託サービスが実際に動き出す局面になります。
参照:公式