株式会社ガイアックスは5月11日、事業者向けに日本円ステーブルコイン「JPYC」決済の導入を支援する「ステーブルコイン決済導入支援サービス」の提供を開始したと発表しました。オンライン決済への組み込みに向け、要件整理から設計、実装、運用までをワンストップで支援します。
同サービスは、ガイアックスが自社で開発した「StableCoin EC(JPYC決済+レベニューシェアEC)」と「StableCoinフリマ(C2Cマーケットプレイス/スマートコントラクトエスクロー)」の開発経験をもとに、事業者ごとの用途に合わせてカスタマイズして納品するものです。
決済通貨はJPYCを中心に提供し、対応チェーンはJPYCの発行対応チェーンに準拠します。現時点ではEthereum、Polygon、Avalancheを基本とし、今後JPYCが対応するチェーンにも順次追随します。
ステーブルコイン決済の実装を一気通貫で支援
ガイアックスは、ステーブルコイン決済の導入が進む背景として、既存のオンライン決済における手数料や入金サイクルの課題に加え、AIエージェントによる自律的な購入が今後広がる可能性を挙げています。人ではなくAIが商品やサービスを選び、決済まで行う局面が増えるなかで、AIに選ばれやすい決済手段を整えることも事業者の課題になるとみています。
社会実装に向けた行政側の動きも出ています。東京都は2026年4月17日、「ステーブルコイン社会実装促進事業補助金」の公募を開始しました。補助率は3分の2、上限は4,000万円で、自治体レベルでもステーブルコイン活用を後押しする動きが始まっています。

一方で、実際にステーブルコイン決済を自社サービスに組み込むには、ウォレット接続やトランザクション設計を含むUX設計、スマートコントラクトによる売上分配やエスクロー、法務・税務・会計処理との整合、チェーン運用やガス代管理など、複数の論点を整理する必要があります。
ガイアックスは、これらを自社実装のなかで検証してきた経験を生かし、PoCにとどまらず実運用を見据えた設計を提供するとしています。
手数料圧縮、即時入金、自動分配に対応
ガイアックスが強調するメリットは、決済手数料の圧縮、即時入金、スマートコントラクトによる売上分配です。
クレジットカード決済では一般的に売上の3〜5%程度の手数料が発生しますが、ステーブルコイン決済ではブロックチェーン上のガス代を中心に取引が成立します。決済代行業者を介さない直接決済により、薄利多売型の事業でも利益を残しやすくなると説明しています。
入金面では、購入と同時に売上が事業者のウォレットへ着金します。クレジットカード決済のように数日から数週間の入金サイクルを待つ必要がなく、キャッシュフロー改善につながる点も訴求しています。
収益分配では、スマートコントラクトを使い、生産者、運営者、紹介者、制作者など複数の関係者に対して、購入と同時に売上を自動分配します。たとえば商品ごとに「紹介者20%、販売者70%、プラットフォーム10%」といった分配ルールを組み込むことで、アフィリエイト経由の購入が成立した瞬間に紹介者の取り分を送金できます。
成果計測、集計、月次精算、振込手数料、振込ミスといった運用負荷を抑えられるとしています。分配履歴はブロックチェーン上で検証できるため、アフィリエイト、紹介報酬、複数制作者へのロイヤリティ分配、地方創生プロジェクトにおける関係者間の分配などでの利用が想定されます。
