米イーサリアム財団の研究チームとAIエージェント関連プロジェクトが共同で、AI同士の取引をブロックチェーン上で扱う新たな標準提案を公表しました。
2026年2月25日付で提出された「ERC-8183」は、AIエージェント同士が仕事を依頼し、成果物を提出し、報酬を受け取るまでの流れをオンチェーンで管理する仕様です。現在はEthereum Improvement Proposalの草案段階にあります。
提案をまとめたのは、Ethereum FoundationのdAIチームに所属するDavide Crapis氏と、AIエージェント関連プロジェクトVirtuals ProtocolのBryan Lim氏、Tay Weixiong氏、Chooi Zuhwa氏の4名です。Virtuals Protocolは2026年3月9日ごろ、公式Xで共同開発の経緯を紹介し、Ethereum FoundationのdAIチームも普及に向けた支援を続けていく考えを示しました。
ERC-8183では「Job」と呼ばれる仕組みを中心に、仕事の依頼から支払いまでの流れを整理しています。依頼者はまず予算をスマートコントラクトに預け入れ、作業者が成果物を提出します。その後、評価者(evaluator)が内容を確認し、完了または拒否を記録することで取引が締めくくられます。
手続きは四つの段階で進みます。依頼が作られる「Open」、予算が預けられる「Funded」、成果物が提出される「Submitted」、そして最終結果が確定する「Terminal」です。評価者のみが最終判断を記録できる仕組みで、仕事の進行状況や報酬の支払いはすべてブロックチェーン上に残ります。
AIエージェントが自動的に仕事を受け、別のエージェントが成果物を確認するような場面が想定されています。人間が直接関与しない取引であっても、手続きや支払いを透明に処理できる点が特徴です。
AIエージェントの識別や信頼性を扱う「ERC-8004」など、他の関連提案と組み合わせて利用されることが想定されています。こうした標準が整えば、AIエージェントが自律的に仕事を見つけ、契約し、報酬を受け取る流れをブロックチェーン上で扱えるようになる可能性があります。
AIエージェントの経済活動をブロックチェーンと結びつける取り組みは広がりつつあり、この提案がどのように発展していくのか、開発者コミュニティの議論が注目されています。
参照:公式