日本経済新聞は5月7日、Progmatを事務局に三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクや東京海上ホールディングス、大和証券、SBI証券、ブラックロック・ジャパン、ステート・ストリート信託銀行が連携し、2026年内にも日本国債をセキュリティトークン化して24時間365日取引できる仕組みを整えると報じました。対象は国債を担保にしたレポ取引(国債などを担保にした短期資金の貸し借り)で、ステーブルコインを組み合わせて受け渡しを即時化し、機関投資家の資金効率を高める狙いです。
参加陣には、銀行、保険、証券、資産運用、受託銀行の主要企業がそろいます。Progmatが事務局を担い、3メガバンクが資金決済や市場実務の中核を担い、東京海上ホールディングスは保険グループの機関投資家、大和証券とSBI証券は証券会社、ブラックロック・ジャパンは資産運用会社、ステート・ストリート信託銀行は受託銀行として加わる構図です。国内のRWA(現実資産のトークン化)が、不動産や社債中心の領域から、国債やレポといった機関投資家向けの大型アセットへ広がる動きとして受け止められます。
レポ市場は規模も大きいです。2024年末時点の世界市場は約16兆ドルで、日本はその約1割を占めます。現在はT+1決済(約定翌営業日の受け渡し)が中心ですが、国債のトークン化とステーブルコインの活用でT+0決済(約定当日の即時受け渡し)に切り替われば、日中に生じた余剰資金をすぐ次の取引に回しやすくなります。資本規制に絡む拘束資金の圧縮にもつながるため、機関投資家にとっては運用効率の改善がそのままメリットになります。
Progmatがこの案件の事務局を担うのは、同社が国内で不動産や社債などのセキュリティトークン発行を累計数千億円規模まで広げてきたうえ、2025年10月には「ステーブルコインと連携したオンチェーン完結型デジタル証券」の共同検討結果もまとめていたためです。今回の取り組みは、その延長線上にあります。海外ではブラックロックなどが米国債やMMF(マネー・マーケット・ファンド)のトークン化を進めており、日本勢も機関投資家向けの大型アセットで同じ領域に踏み込みます。
5月中には取引システムの開発と導入を進める組織を立ち上げ、10月には税制を含む法的論点を整理した報告書が公表される予定です。2026年内の仕組み導入に向け、まずはこの2つが次の節目になります。
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