メルカリが5月11日に公表した2026年6月期第3四半期決算で、子会社メルコインの暗号資産売買取引収益は前年同期比2700万円増の13億6200万円となりました。
メルカリアプリの売上金やメルペイ残高から1円単位で買える仕組みが、日常のアプリの中で暗号資産に触れる入口となり、国内の初心者層を取り込み続けていることが数字でも確認できます。
前年同期の収益は13億3500万円でした。2026年6月期第2四半期累計では10億4800万円だったため、9カ月累計ではそこからさらに上積みしました。上期は前年同期比17%増でしたが、9カ月累計では伸び率が落ち着き、値動きの大きい市場でも収益水準を保った格好です。
決算説明資料では、メルコインはFintechセグメントの「Crypto(暗号資産事業)」に位置づけられ、第2四半期決算説明資料では注力領域として「暗号資産の種別、利用シーンの拡大」を掲げました。現在の取扱銘柄はビットコイン、イーサリアム、エックスアールピーの3種類です。2024年にイーサリアムを追加し、同年7月には暗号資産つみたて機能で「毎日つみたて」も始めています。
メルコインの収益を支えているのは、専用の投資アプリに移らなくても、メルカリアプリ内でそのまま暗号資産を買える導線です。フリマの売上金、メルペイ残高、ポイントをそのまま使え、1円単位で取引できるため、まとまった資金がなくても始めやすい仕組みになっています。数千万規模のユーザー基盤を持つメルカリが、専門用語や大きな元手を求めない形で暗号資産の入口を用意したことが、初心者の継続利用につながっているとみられます。
コインチェックは2025年8月、メルコインと業務提携契約を締結しました。目的は国内暗号資産市場の拡大で、初回の取り組みとして、メルコインを介し、メルカリアプリからコインチェックの新規口座開設と多様な暗号資産取引につなげる連携を2026年上半期をめどに検討しています。メルコインが現在扱う3銘柄の売買や積立機能に、国内大手取引所のコインチェックが持つ多通貨取引の基盤をつなぐ流れが進んでいます。
メルカリは次回の2026年6月期通期決算で、暗号資産売買取引収益の通期水準を示すことになります。2026年上半期をめどに予定するコインチェック連携の初回施策が、メルカリアプリ経由の暗号資産導線を広げる次の節目になります。
参照:公式