米リップルは4月15日、韓国の生命保険大手キョボ生命保険と提携し、韓国で初めてとなるブロックチェーン上のトークン化政府債(国債)決済の検証を始めると発表しました。
保険会社が保有する債券の受け渡しを、T+2決済(約定から2営業日後に受け渡す方式)中心の流れからニアリアルタイムへ近づける狙いがあります。
今回の取り組みでは、リップルの「リップル・カストディ」を使い、トークン化した政府債の保有、移転、決済を試します。リップル・カストディは、規制金融機関向けの銀行水準デジタル資産保管基盤で、資産の安全な移転や決済、管理を一体で扱えます。
両社は、分断された手作業の事務処理をブロックチェーン上の処理に置き換え、決済時間の短縮、カウンターパーティーリスクの圧縮、資本効率の改善を見込みます。ステーブルコインを使った24時間365日の支払いレールも検討対象に入れました。
キョボ生命とリップルは2024年9月に協業を始め、技術面と制度面のレビューを進めてきました。4月14日には両社がトークン化政府債取引の検証について協議し、4月からはテストネットでの実務検証に入っています。発表は、その進捗を公式に伝えたものです。
キョボ生命が重視するのは、暗号資産への投資そのものではなく、既存の金融商品がブロックチェーン上で安全かつ効率的に動くかを確かめる点です。キョボ生命のパク・ジンホ専務は、今回の協業について「デジタル資産の話にとどまらず、伝統的な金融商品がブロックチェーン上で安全かつ効率的に運用できるかを検証する試みだ」と説明し、韓国の金融市場インフラ高度化につなげる考えを示しました。
リップル側は、韓国市場を長期案件として見ています。アジア太平洋担当マネージングディレクターのフィオナ・マレー氏は、キョボ生命について「韓国で最も尊敬される金融機関の一つであり、同国で私たちとこの一歩を踏み出す最初の大手保険会社だ」と述べました。そのうえで「機関投資家向けのデジタル資産インフラは、もはや将来の構想ではなく、韓国で今すぐ展開できる段階にある」と語り、韓国への取り組みを「長期的かつ戦略的」と位置づけています。リップルにとって、韓国の主要保険機関との協業は今回が初めてです。
4月から始まったテストネットでは、政府債の保有、移転、決済の各工程に加え、ステーブルコイン決済を組み合わせた運用面も順次確かめます。両社はこの概念実証を通じて、韓国の機関投資家向けオンチェーン決済で技術面と制度面の実行可能性を詰めていく予定です。
参照:公式