暗号資産取引所バイナンスは5月21日、宇宙開発企業スペースXの想定上場価値に連動する初の「Pre-IPO Perpetual Contract」を始めました。これまで機関投資家やベンチャーキャピタルが中心だったIPO前評価の売買機会を、USDT建てのデリバティブで個人ユーザーにも広げる動きです。実際の株式を保有する商品ではなく、公開情報をもとに上場前の市場期待を売買する点がポイントです。
スペースXが第1弾に選ばれたのは、同社が5月にS-1(米証券当局向けの新規株式公開登録書類)を提出し、ナスダック上場をにらんだ評価額への関心が一段と高まっていたためです。市場では1.75兆ドルから2兆ドル超の企業価値を見込む売買が活発で、バイナンスも注目度の高い案件として最初の対象に据えました。
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SPCXUSDTは、スペースXの正式社名であるSpace Exploration Technologies Corpの想定上場価値をもとに値付けされる契約です。証拠金と損益の受け渡しはUSDTで行い、Pre-IPO期間は公開されたIPO価格の指標や想定評価レンジ、最終公開価格を反映して価格が形成されます。ロスカット判定に使うマークプライスは直近10秒または100件の取引平均を使い、1秒ごとの変動幅には前値比でプラス・マイナス1%の上限が設けられました。資金調達率は8時間ごとに0.005%で、日次では0.015%相当の固定金利を織り込みます。

上場後のルールもあらかじめ定められています。安定した第三者価格指数が利用できる段階で、SPCXUSDTの価格連動は公開情報ベースのPre-IPO方式から、実際の市場価格を反映する通常の方式へ移ります。バイナンス先物の取引画面では、22日時点の直近値が207.72USDT前後、前日比0.83%高となりました。24時間高値は224.47USDT、安値は197.10USDTで、24時間出来高は約40.1万SPCX、USDT換算で約8400万USDTに達しています。未決済建玉のオープンインタレストはまだ低水準です。
SPCXUSDTにはスペースX株の所有権がなく、配当や議決権も付きません。売買できるのはあくまで評価額への期待で、公開前後は値動きが大きくなりやすく、とくに実際のIPO後は清算リスクが強まりやすい設計です。上場が延期されたり中止になったりした場合は、バイナンスが事前通知のうえで清算か上場廃止を実施します。
参照:公式
