米スタートアップ育成機関のYコンビネーターは14日までに、2026年春の採択企業群に入るトータリスへ、ソラナ上で50万USDCを送金し、全額をステーブルコインで渡す初の出資に踏み切りました。暗号資産企業に限らないスタートアップ資金の受け渡しが、銀行送金からブロックチェーンへ移り始めたことを示す事例です。
受け取り先のトータリスは、予測市場のデリバティブ層を手がけるスタートアップです。送金は3回に分けて行われ、1USDCのテスト送金の後、12万4999USDCと37万5000USDCが着金し、合計50万USDCとなりました。資金はランプの口座で管理され、トータリスは「YCと暗号資産にとって歴史的な瞬間だ。資金は仲介者なしで財務口座に直接入り、数秒で決済された」と投稿しています。
トータリスはソラナを選んだ理由について、「性能、確定の速さ、低い取引コスト、金融アプリ向けに広がるエコシステム」を挙げました。同社はランプのステーブルコイン口座を早くから使っており、受け取ったUSDCを財務管理に置いたうえで、そのままクレジットカード決済にも充てています。今回の件は、資金調達から日々の支払いまでをブロックチェーンベースでつなぐ使い方が、実務に入り始めたことも映しています。
Yコンビネーターは2月、2026年春バッチから標準の50万ドル投資をUSDCで受け取れる選択肢を始めていました。対応ネットワークはイーサリアム、ベース、ソラナです。暗号資産分野を担当するビジティングパートナーのネミル・ダラル氏は当時、「ステーブルコイン送金は通常1セント未満で、国境をまたいでも1秒未満で決済できる。国際送金は数十ドルかかり、着金まで数日かかることがある」と説明し、新興国の創業者ほど利点が大きいと話していました。
春季2026年バッチ向けのUSDC受け取りオプションは、引き続きイーサリアム、ベース、ソラナの3ネットワークで選べます。トータリスに続いて、暗号資産企業に限らない別の採択企業がこの仕組みで資金を受け取るかどうかが、YCの新しい出資手法の次の節目になります。
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