クロスミントが手がけるAIエージェント向け決済サービス「ロブスター・キャッシュ」は16日、マスターカードの「エージェント・ペイ」と「ベリファイアブル・インテント」を統合すると発表しました。オープンクローなどのオープンなAIエージェント基盤では、利用者が今持っているマスターカードで買い物を代行させられるようになり、新しいウォレットや専用カードを用意する必要がなくなります。
取引はカード発行会社の利用制御に従ってマスターカードのネットワークで認証され、利用者が何を許可したのかを暗号技術で結び付けます。ベリファイアブル・インテントは、誰が何を承認したかを後から検証できる仕組みで、AIエージェント決済で課題になりやすい説明責任を補います。ロブスター・キャッシュ側でも、支出額や利用先、時間帯、決済方法を利用者が細かく設定できるとしています。
導入の起点となるオープンクローは、20超のメッセージング・プラットフォームで100万超のAIエージェントが稼働するオープンソース基盤です。AIエージェントの利用が急増する一方、オープンな開発環境では決済の信頼性をどう担保するかが課題でした。クロスミント共同創業者のアルフォンソ・ゴメスジョルダナ・マニャス氏は、「ロブスター・キャッシュに組み込むことで、エージェント利用者は新しいウォレットも新しいカードも必要ありません。今持っているカードを、マスターカードに期待する安全性とコントロール付きでエージェントに使わせられる」とコメントしています。
ロブスター・キャッシュは、ソラナ、サークル、ビザ、マスターカード、ベイシス・セオリー、スティッチの技術で支えられています。カード決済に加え、ステーブルコイン(価格が法定通貨などに連動する暗号資産)にも対応し、ベイシス・セオリーが認証情報の管理を担います。対応先としてはオープンクローのほか、クロード・コード、デビン、ヘルメス、ゾー・コンピューターが挙がっています。
マスターカードは2025年にエージェント・ペイを立ち上げ、サンタンデール、コモンウェルス銀行・オブ・オーストラリア、DBS、UOBと導入を進めてきました。2026年3月にはサンタンデールと欧州初のライブのエンドツーエンドAIエージェント決済を完了しており、200以上の国・地域で展開する同社ネットワークを、銀行主導の実証からオープンな開発者基盤へ広げる流れが鮮明になっています。マスターカードのパブロ・フーレス最高デジタル責任者は、エージェント・ペイは「すべてのAIエージェント取引に信頼と説明責任を持ち込むために作った」と述べ、ロブスター・キャッシュとの統合で開発者の自由度を保ちながら、消費者と発行会社が従来どおりの安全性と制御を維持できるとしています。
クロスミントは4万超の顧客企業にウォレットやステーブルコイン基盤を提供しており、リビット・キャピタルとフランクリン・テンプルトンの支援も受けています。マスターカードの暗号資産関連パートナー・プログラムにも加わっており、今回の連携で、暗号資産インフラ企業がAIエージェント決済の実運用に既存カード網を接続する動きが一段進みます。
提供はまずオープンクローでアーリーアクセスとして始まり、その後はほかのエージェント基盤にも広げる予定です。開発者は既存のカード網を使ったAIエージェントの購買機能を実装しやすくなり、利用者は追加のカード発行なしで代理購入を許可できるようになります。
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