ステーブルコイン大手テザーとソラナ基盤の無期限先物DEX(分散型取引所)「Drift Protocol」は4月16日、4月1日の不正流出で約2億9570万ドルのユーザー損失が出たDriftの立て直しに向け、最大で総額約1億4750万ドルの支援計画を公表しました。決済資産をUSD Coin(USDC)からUSD₮(USDT)へ切り替え、ソラナDeFiの主要取引基盤を再び動かす内容です。
4月1日の不正流出で失われた資産は、Driftの算定で2億9570万6374.93ドルでした。被害はJLP、USDC、cbBTC、SOLなど19資産に及びましたが、保険基金は毀損しておらず、預け入れ資産はリローンチ時に使える扱いとしています。
テザーが最大1億2750万ドルを拠出し、そのうち1億ドルは収益連動型クレジットで、これにエコシステム向けグラントと指定マーケットメイカー向けローンが加わります。他パートナーからの約2000万ドルと合わせ、回復原資は約1億4750万ドルになります。
テザーが今回前面に出た理由について、パオロ・アルドイーノCEOはDriftの回復支援を通じてDeFiエコシステムの成長を強調しました。DriftをソラナDeFiの重要な取引基盤と見なし、ユーザー信頼の回復を実際の売買と長期的な成長につなげる考えを示した格好です。
Driftは公式Xで「Drift will relaunch with USDT used for settlement」と投稿し、再開後の決済資産をUSDTに切り替えると明言しました。テザーはこの移行で、エコシステムパートナーをUSDT建て取引へ乗せる計画で、Driftの回復と同時に、ソラナ上でのUSDTの決済通貨としての存在感を強める内容でもあります。
回復の仕組みには、被害ユーザー向けのリカバリートークンと、返済原資を積み上げるリカバリープールを使います。プールには取引所収益の相当部分、今回の支援資金、法執行機関やフォレンジック調査を通じて回収した資産を充てます。Driftは公式Xで「This is that path. This is the first step toward making users whole over time」と記し、段階的な補填に着手する考えを伝えました。テザーは法執行機関やフォレンジックパートナーと協力し、盗難資産の回収を進めています。
リローンチの条件として、オターセックとアシンメトリックによる2件の独立監査を完了させます。コードベースは見直し、運用面ではコミュニティ主導のマルチシグを新たに導入し、ソラナのコアインフラ、DeFi、セキュリティ、流動性分野のリーダーとDriftエコシステムの貢献者が管理に加わります。
監査完了後、DriftはUSDT建てで取引を再開し、預け入れ資産を使えるようにします。
参照:公式