米上院は6月22日、住宅政策を柱とする「21st Century ROAD to Housing Act(H.R. 6644)」の更新妥協案を85対5で可決しました。法案には、連邦準備制度理事会(FRB)によるリテールCBDC(中央銀行デジタル通貨)の発行を2030年12月31日まで禁じる条項が盛り込まれており、住宅政策法案の中でデジタル通貨政策が前進した点が注目されています。

CBDC禁止条項は、FRBがCBDCまたは実質的に類似するデジタル資産を発行、創設、配布することを時限的に制限する内容です。一方で、民間のオープンかつパーミッションレスなドル建てステーブルコインは対象外とされ、政府発行のデジタル通貨と民間ステーブルコインを切り分ける設計になっています。
法案本体は、住宅供給の拡大、機関投資家による既存一戸建て住宅の大量購入制限、災害復旧プログラムの延長、住宅ローン支援に関わる銀行規制の調整などを含むパッケージです。CBDC禁止は単独法案ではなく、成立可能性の高い住宅政策法案に付帯する形で扱われました。反CBDCの規定を、より広い超党派パッケージの中で進める狙いがあったとみられます。
暗号資産・プライバシー保護を重視する層にとって、2030年末までのCBDC発行停止は短期的な政策上の前進です。ただし、恒久的な禁止ではなく時限措置にとどまるため、2031年以降にCBDC発行の余地を残すとの批判もあります。民間ステーブルコインへの除外規定が置かれたことで、今後は政府発行通貨と民間デジタルマネーの制度上の線引きも焦点になります。
法案は今後、下院が上院の妥協案を受け入れるか、さらに調整を行うかが問われます。CBDC禁止条項の期間や文言が最終段階で維持されるか、また大統領署名まで進むかが次の注目点です。
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