News 取引所 暗号資産

米司法省、バイナンス利用のイラン資金移動疑惑を調査か|WSJを名誉毀損提訴

当サイトにはPRリンクを含む場合があります。

2026年3月11日、米司法省(DOJ)がイラン系組織による米国制裁回避の資金移動に暗号資産交換大手バイナンスが利用された可能性について調査していると報じました。

調査は、イラン関連の暗号資産取引に詳しい人物への事情聴取を含むとされますが、対象がバイナンス自体なのか、特定の利用者に限定されているのかは明らかになっていません。

報道によると、今回の調査はイラン関連の資金移動を巡る疑惑を背景に進められているとみられます。米国はイランに対して厳格な金融制裁を課しており、金融機関や取引プラットフォームが制裁回避の経路として利用される可能性は、当局が長年警戒してきたテーマの一つです。

今回の報道の背景には、WSJが2月23日に掲載した別の記事があります。この報道では、バイナンス社内でイラン関連の資金移動を調べていた内部調査が打ち切られ、その担当者が解雇された疑いがあると伝えられていました。WSJは、こうした状況を受けて米司法省が調査に乗り出した可能性があると指摘しています。

米議会でも問題視する声が上がっています。民主党のリチャード・ブルーメンソール上院議員は、制裁対象団体にほぼ20億ドルが到達したとされる違法送金の規模や内部調査担当者の解雇疑惑に触れ、「バイナンスの制裁および銀行法順守体制に重大な疑問を投げかける」と指摘しました。同議員は2月下旬、独自調査を求める動きを示しています。

これに対しバイナンスは、WSJの報道内容を全面的に否定しました。同社は3月11日、WSJおよび親会社ダウ・ジョーンズを名誉毀損で提訴したと発表しています。バイナンスは公式声明の中で、問題視された資金について「バイナンスを起点または終点とする取引ではなく、複数の仲介を経由している」と説明しました。さらに「大半の取引でイランとの関連性は確認されていない」としたうえで、疑わしいアカウントは排除し、当局へ報告済みだと主張しています。

同社の訴訟対応について、バイナンスの訴訟部門責任者であるDugan Bliss氏は「誤報に対する防御措置であり、ジャーナリズムの誠実性を問うものだ」とコメントしました。また同社は、自社のコンプライアンス強化の取り組みにも言及し、制裁関連のリスク露出を96.8%低減したなどの実績を示しています。一方、WSJ側は報道内容に確信を持っているとし、記事は事実に基づいているとの立場を示しています。

暗号資産業界では、規制当局による制裁関連の監視がここ数年で大きく強化されています。特に大規模なグローバル取引所は、マネーロンダリング対策(AML)や制裁遵守の体制を巡り、各国当局から厳しい監視を受けてきました。

米当局が今後どの段階で調査の有無や対象を明確にするのか、そしてバイナンスとの法廷闘争がどのように展開するのかが次の焦点となります。暗号資産取引所の制裁対応とコンプライアンス体制を巡る議論は、今回の報道を契機に改めて注目を集めそうです。

参照:報道

  • この記事を書いた人

gemefi.town編集部

gamefi.townは、ブロックチェーンゲームと暗号資産・Web3領域を専門に扱うメディアです。最新のトレンドや注目トピックをリアルタイムで発信しています。実際の体験や一次情報の精査をもとに分かりやすく解説。公式Xでは最新ニュースをリアルタイムで発信中です。ぜひフォローして最新情報をご確認ください。

-News, 取引所, 暗号資産