分散型デリバティブ取引所Hyperliquidで、誰でも市場を立ち上げられる「HIP-3」市場の集計オープンインタレスト(OI)が、3月14日時点で過去最高の14億3,000万ドルに達しました。

HIP-3市場の立ち上げから約6カ月で100倍超まで膨らんだ計算になります。伸びを支えたのは暗号資産そのものではなく、トークナイズド株式や商品先物など、伝統金融資産を24時間365日で売買できる市場でした。
今回の急拡大で目立つのは、Hyperliquid上でRWA(現実資産)やTradFi系商品の取引を手がけるTrade.xyzの存在感です。Hyperunitが運営する同サービスは、HIP-3全体のOIの約90%を占める規模まで拡大しました。
伝統資産の24時間取引が建玉拡大を後押し
株式や商品先物の伝統的な市場は、平日の立会時間外や週末には売買できません。HIP-3市場ではそれらに連動するパーペチュアル商品を常時取引できるため、通常の市場が閉じている時間帯にも価格形成が進みます。
中東情勢やマクロ経済の変化が週末に起きた場合でも、投資家はポジション調整やヘッジを即座に行えます。24時間取引という暗号資産市場の特徴が、今度は伝統資産の売買ニーズを吸収し始めた形です。
WTI原油perpsの取引量がETHを上回る水準に拡大
実際、取引量の面でも非クリプト市場の存在感は強まっています。WTI原油のパーペチュアル市場は24時間取引高が13億9,000万ドルに達し、プラットフォーム全体でビットコインに次ぐ2位となりました。イーサリアムの取引量を上回ったことは象徴的です。これまでHyperliquidの主戦場は主要暗号資産の先物取引と見られてきましたが、足元では原油をはじめとする商品系市場が流動性を引き寄せています。
Over the past 2 weeks, RWA trading on Hyperliquid has repeatedly broken records, surpassing $1.3B in open interest and $1.4B in weekend volume.
When traditional markets are closed, Hyperliquid is the premier venue for 24/7 price discovery on oil, metals, indices, and other…
— Hyperliquid (@HyperliquidX) March 12, 2026
Hyperliquidの公式Xも3月12日の投稿で、RWA関連市場のOIが13億ドルを超え、週末の出来高が14億ドル規模に達したと報告していました。今回確認された14億3,000万ドルという数字は、そうした勢いが一過性ではなく、実際の建玉水準として積み上がってきたことを示しています。

市場では、ネイティブトークンHYPEが年初来で50%超上昇しました。相場全体が不安定な中でも、取引基盤としての成長期待が個別に意識されている格好です。これまで中央集権型の時間帯に縛られていた伝統資産の取引需要が、分散型インフラに流れ込み始めた点に注目が集まっています。
RWA市場の拡大が今後の流動性動向の焦点に
もっとも、急拡大が続くほど、価格参照の仕組みや流動性の偏在、ボラティリティ管理の難しさも問われやすくなります。特に週末や時間外に価格が先行して動いた場合、週明けの伝統市場との乖離がどの程度生じるかは、今後の制度面や市場構造を考えるうえでも重要な論点です。
それでも、HIP-3市場がわずか半年で14億ドル超の建玉を積み上げ、原油商品がETHを上回る出来高を記録した事実は、オンチェーン市場の役割が暗号資産の枠を越えて広がっていることを強く印象づけました。
参照:the block
