電線メーカーの三ツ星(東証スタンダード・5820)は4月24日、暗号資産の発行・売買・マイニング(計算処理で暗号資産を得る作業)などを事業目的に加える定款変更を6月の定時株主総会に諮ると決めました。100年を超える老舗製造業が、暗号資産分野に向けた法務面の準備に入った格好です。今回の開示は事業開始を告知するものではなく、「今後の事業展開の多様化に対応する為」として、事業の受け皿を広げる内容です。
4月24日にTDNetへ出した適時開示には、変更理由として「今後の事業展開の多様化に対応する為、現行定款第2条(目的)につきまして事業目的を追加するものであります」と記しました。暗号資産関連で新たに盛り込む条文は「(11)暗号資産の発行、売買、マイニング、貸借、管理及びそれらに関連する業務」で、青木邦博社長名義の文書として開示されました。
同じ改定案には、各種発電装置の開発・製造・販売、電力の売買及び供給、電気工事の設計施工、小型電池の生産販売も並びました。発電装置にはバイオマス、重油、亜臨界、自然エネルギーなどが列挙されており、大量の電力を使うマイニングとの接点に市場の関心が向いています。ただ、会社の文書が掲げた理由はあくまで事業多様化で、電力事業と暗号資産事業をどう組み合わせるのかまでは書き込んでいません。
三ツ星は1919年創業の老舗で、キャブタイヤケーブル(工場や建設現場で使う移動用ケーブル)で国内トップシェアを持つ企業です。本社は大阪府に置き、電線のほかプラスチック成形、電熱線・抵抗線、新エネルギー関連事業も手がけてきました。伝統的な産業用メーカーが暗号資産を定款に組み込む動きは、技術系企業以外にも関心が広がっている流れを映しています。
2026年6月の定時株主総会で承認されれば、同日付で定款変更が効力を持ちます。暗号資産関連業務を含む新たな事業目的は、その日から発効します。
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