USDC レンディングって、実際どのくらいの利率でリスクは何があるのでしょうか。米ドル連動のステーブルコインを国内ライセンス業者で運用できる新サービスとして注目が集まっています。
本記事では、次の 4 つを順に解説していきます。
- USDC レンディングの定義と銀行預金との違い
- 仕組みと利用料の計算式、年率の決まり方
- リスクと注意点 (元本保証や中途解約の扱い)
- SBI VCトレードでの始め方の 4 ステップ
なお、貸し出した USDC は元本保証がなく、資金決済法に基づく分別管理の対象外になります。利率も募集ごとに変動しますので、こうした前提を踏まえながら読み進めていきましょう。
USDC レンディングとは?

USDC レンディングは、保有している USDC を一定期間 SBI VCトレードのような暗号資産交換業者に貸し出し、その対価として利用料を受け取る仕組みです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス概要 | 保有 USDC を交換業者に一定期間貸し出し、利用料 (賃借料) を受け取る貸借取引 |
| USDC 種別 | 米ドル連動ステーブルコイン |
| 国内主要提供業者 | SBI VCトレード — 国内ライセンス業者で初の提供 |
| 当初募集利率 | 年率10% (12週間満期) |
| 通常時想定利率 | 年率5%程度 |
| 申込上限 | 1募集あたり 5,000 USDC お預かり残高 100万円相当が上限 |
| 募集タイミング | 毎週木曜 20時から (先着順) |
| 利用料計算式 | 貸出数量 × 年率 × 期間 ÷ 365 |
| 元本・分別管理 | 元本保証なし 貸出中 USDC は分別管理対象外 |
| 税務 | 雑所得・総合課税 |
USDC レンディングは、ユーザーが保有 USDC を交換業者に貸し出す消費貸借取引です。保有している USDC を一定期間、暗号資産交換業者に貸し出し、その対価として利用料を受け取る仕組みになります。
USDC レンディングの注目ポイントが、外貨預金より高い年率です。SBI VCトレードの USDC レンディングでは、サービス開始時の当初募集として年率 10% (12 週間満期) が提示され、通常募集も年率 5% 程度が予定されています。
これに対し、銀行の外貨預金 (米ドル定期) の年率は 0.5〜4% 程度に収まっているのが一般的です。預金種別や銀行によって幅はありますが、当初募集 10% という水準は外貨預金と比べて高めの設定で、通常時 5% 程度であっても外貨預金の上限近くを上回ります。
USDC とは|米ドル連動ステーブルコイン

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 (略称) | USD Coin (USDC) |
| 種別 | 米ドル連動ステーブルコイン |
| 発行体 | サークル社 (Circle Internet Financial, LLC、NMLS ID 1201441) |
| 価格の設計 | 1 USDC ≒ 1 米ドル |
| 流通量 | 約 768 億ドル相当 |
| 準備金の運用先 | サークル・リザーブ・ファンド (SEC 登録の投資信託) |
| 資産の保管 | ニューヨーク・メロン銀行 (BNY Mellon) |
| 運用担当 | ブラックロック (BlackRock) |
| 監査・透明性 | ビッグ・フォーによる月次の準備金チェック + 日次の運用内訳開示 |
USDC は、1 USDC ≒ 1 米ドルで売買される、米ドルに価格が連動するように設計されたステーブルコインです。発行しているのは米国のサークル社という会社になります。世界中で広く利用されている、代表的なステーブルコインの 1 つです。流通している量は、最新の集計で約 768 億ドル相当に達しています。
USDC の価値を支えているのは、サークル社が用意する準備金 (発行残高の裏付けとなる資産) です。準備金の大半は「サークル・リザーブ・ファンド」という、安全性の高い短期金融商品で運用される投資信託に置かれています。
同ファンドはアメリカの証券取引委員会 (SEC) に登録された商品で、資産の保管は大手銀行のニューヨーク・メロン銀行、運用は世界最大級の資産運用会社ブラックロックが担当しています。
透明性を保つための仕組みも整えられています。世界の四大会計事務所「ビッグ・フォー 」が月次で準備金の状態をチェックする報告書を公開し、運用内訳もブラックロックを通じて日次で開示されています。
USDC レンディングの利率や特徴|年率10%・通常時5%
ここからは USDC レンディングの仕組みを解説していきます。USDC レンディングで気になるのが利率です。ここでは SBI VCトレードの 2 段階の利率水準も見ていきます。
貸出 → 運用 → 賃借料返還の 3 ステップ

USDC レンディングは「ユーザーが USDC を貸し出す → 交換業者が市場で運用 → 期間満了で元本+利用料を返還」の 3 ステップで進みます。借り受けた USDC を運用したうえで、賃借料を支払うサービス設計です。
ユーザー側で運用先を選んだり、運用パフォーマンスをモニタリングしたりする必要はありません。日常的なチャート監視も不要で、申込後は期間満了を待つだけというシンプルな流れです。市場の好不調にかかわらず、利率は契約どおりに支払われる前提になります。
当初募集は年率10%、通常時は年率5%程度

当初募集は開始を記念して 12 週間満期で年率10%、通常時でも一般的な米ドルの外貨定期預金を上回る 12 週間満期で年率5%程度を提供する予定です。
12 週間満期は 84 日間に相当します。当初募集の年率10%は記念的な水準で、通常時は年率5%程度を予定する 2 階建ての仕組みになります。
通常時の利率は募集ごとに変動するため、毎回の募集画面で年率 (利用料率) を確認する形になります。
USDC レンディングの始め方|SBI VCトレードでの 4 ステップ手順
ここからは、実際の始め方を 4 ステップで見ていきます。口座開設から募集申込までの流れを順に確認できます。
SBI VCトレードの口座開設は、簡単3ステップで完了し、最短で当日に取引を開始できます。
*なお、口座開設が当日に完了することを保証するものではありません。申込状況や審査過程、提出された本人確認書類に不備がある場合など、通常よりも時間がかかることがあります。
step
1SBI VCトレードで口座開設する
まずは、以下のボタンから公式サイトにアクセスしてください。
出典:SBI VCトレード

ステップ1:メールアドレスの登録
ログイン時に使用するメールアドレスを入力し、「メールアドレスで登録」をクリックします。
ステップ2:メール認証とパスワード設定
登録したメールアドレス宛に届いたメールを開き、本文内のURLをクリックします。
遷移先のページで、ログイン用のパスワードを入力して設定すれば仮登録が完了です。
ステップ3:電話番号の認証
電話番号を入力し、「SMS認証」または「電話認証」のどちらかを選択して「登録」をクリックします。
届いた認証コードを画面に入力し、「認証する」を押してください。
step
2基本情報を入力する

つぎに、氏名や投資経験、銀行口座情報など、口座開設に必要な基本情報を入力していきます。
住所は、郵便番号を入力することで自動的に住所が反映される「住所検索」機能を利用できます。
すべての項目の入力が完了したら、「次の画面へ」をクリックして進みましょう。
step
3本人確認する

スマートフォンから以下の本人確認書類のいずれかを選択することで、「スマホでかんたん本人確認」を利用できます。
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- 在留カード
- 特別永住者証明書
スマートフォンのカメラを使用し、本人確認書類を撮影します。
つぎに、カメラでの自撮りによって、申請者本人の顔写真を撮影します。
step
4日本円を入金する

本人確認の審査が完了したら、公式サイトにログインします。
「入出金」の項目を選択します。
入金に使用する銀行口座を選択します。

入金額を入力し、「同意する」にチェックを入れます。
金融機関サイトへをクリックし、画面に従って入金手続きを済ませましょう。
step
3USDCを購入する

メニュー内の「買う」を選択し、USDCをクリックします。
購入したい数量を入力します。
「買う」ボタンをクリックすると、購入が完了します。
step
4USDCを貸し出す

USDC を保有したら、SBI VCトレードのアプリまたはシンプルモードの「貸コイン」メニューから募集に申し込みます。
申込時には貸出数量と期間を確認したうえで申込ボタンを押す流れです。
新規募集は毎週木曜20時に開始されます。当初募集の年率10%は 12 週間満期 (84日間) のコースが中心で、通常時の募集は 5% 程度が予定されています。先着順ですので、人気の募集は早めに枠が埋まります。
申込が完了すると、契約期間中は当該 USDC の売却・送金・担保設定はできなくなります。期間満了の受取日当日 15〜16 時目処に、貸出数量と利用料を合算した USDC が口座に戻ります。
最初は短期コース (7日間や28日間など) で挙動を確かめてみるのもおすすめです。
USDC レンディングのメリット|価格安定性・税務優位性・国内ライセンス
USDC レンディングが、銀行外貨預金や他の暗号資産運用と比べてどんな利点を持つかを 3 つの観点で見ていきます。
価格変動が小さい|BTC 等と比べたステーブルコインの安心感

USDC は 1USDC ≒ 1USD で米ドルに連動するよう設計されています。BTC や ETH と比べたときの価格安定性がメリットとして挙げられます。
BTC や ETH を貸し出した場合は、貸出中の価格下落で受取時の円換算額が大きく変動します。USDC であれば、米ドル相当の価値が概ね保たれますので、利率を素直に利回りとしてイメージしやすいのが特徴です。
雑所得・総合課税|年間 20 万円以下なら所得税申告不要

USDC レンディングの利用料は、税務上「雑所得・総合課税」として扱われます。給与所得者で給与以外の所得 (他の雑所得を含む) の合計が年間 20 万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です。住民税の申告は別途必要になります。
外貨定期預金の利息は、所得規模に関わらず一律 20.315% の源泉分離課税です。USDC レンディングは総合課税ですので、所得規模次第で税率が変動します。
「給与+少額の USDC レンディング」の組み合わせなら、所得税の申告が不要になるケースもあります。一方で、所得規模が大きくなると総合課税の合計税率が上がりますので、税理士への相談も視野に入れたいところです。
国内ライセンス業者経由|海外CEX や DeFi より日本法準拠の安心感

SBI VCトレードは、暗号資産交換業 (関東財務局長 第00011号)・第一種金融商品取引業・電子決済手段等取引業の 3 ライセンスを保有しています。電子決済手段等取引業は、USDC のようなステーブルコインを国内で取扱うために必要な登録です。
海外 CEX (中央集権型の暗号資産取引所) や DeFi に比べて、日本法準拠で利用者保護の枠組みが整っている点は分かりやすいメリットです。金融庁の監督下にあり、定期的な財務報告や監督官庁の規制を受ける環境で運用されます。
USDC レンディングのリスクと注意点|分別管理対象外・デペッグ・中途解約不可
ここからはリスクを 4 つに分けて見ていきます。各リスクには、サービス側の対応とユーザー側で取れる行動を併記しますので、付き合い方をイメージしながら読み進めてみてください。
貸出中 USDC は資金決済法に基づく分別管理対象外
リスクとして最も大きいのが、貸出中 USDC の分別管理対象外という扱いです。SBI VCトレードがユーザーから借り受けた USDC は、資金決済法に基づく分別管理の対象外となります。
サービス側の対応として、SBI VCトレードは国内ライセンス業者で、金融庁の監督下にあります。米ドル建資産による裏付けや、信頼性の高い金融機関での保管も案内されています。
ただし、SBI VCトレードが破綻した場合には、貸し出した USDC の全部または一部の返還を受けられないリスクが残ります。ユーザー側では、生活防衛資金と切り分けたうえで貸出額を決める、複数の運用先に分散する、重要事項説明を必ず確認する、といった対応がとれます。
中途解約は原則不可|12週間ロックされる流動性リスク
2 つ目は、中途解約が原則できない流動性リスクです。途中解約は原則なしとされ、契約期間中は当該 USDC の売却・譲渡・担保設定などの処分ができません。
サービス側の対応としては、複数の貸出期間 (7日間・14日間・28日間・84日間など) が用意されている点が挙げられます。短期コースから試せば、長期ロックのリスクを抑えながら挙動を確認できます。
ユーザー側では、期間と申込数量を生活防衛資金と切り離して設計するのが基本です。初心者の方には、最初は短期 (28日間など) のコースから始めてみると分かりやすいです。
USDC のデペッグリスク|2023年3月の SVB 破綻時に 0.815 ドル付近まで下落
3 つ目は、USDC 自体のデペッグリスクです。USDC は 2023年3月、Circle が SVB (シリコンバレー銀行) に保管していた約 33 億ドルの準備金が一時的に引き出せなくなり、シンガポール市場で一時 81.5 セントの安値まで下落し、米ドルとの 1 対 1 ペッグ (連動) を維持できない事態となりました。
サービス側の対応として、Circle は月次の Reserve Attestation (Big Four 会計事務所による) と日次の第三者ポートフォリオ報告 (BlackRock 経由) を公開し、準備金の大半は SEC 登録のマネーマーケットファンド「Circle Reserve Fund」で運用されています。ディペッグ継続時には入庫停止の可能性がある旨も明示されています。
為替・規制リスク
4 つ目は、為替・規制・税制の変更リスクです。USDC は米ドル連動のため、円ベースでの実質利回りには為替変動が影響します。たとえば円高方向に動けば、円換算の元本も利用料も目減りします。
規制面では、改正資金決済法によって USDC のようなステーブルコインは「電子決済手段」と整理され、国内では電子決済手段等取引業ライセンスが必要になっています。2026年2月には金融庁の資金決済制度等に関するワーキング・グループ報告書が承認され、ステーブルコイン担保資産の運用拡大と利用者保護強化 (国外流出防止命令の明文化など) の方向性が示されました。
USDC レンディングのよくある質問 (FAQ)
最後に、初心者の方からよく聞かれる質問を 6 つピックアップしてまとめておきます。
Q1. 銀行の外貨定期預金と何が違いますか?
A. 主な違いは 4 点です。1 つ目は預金保険の対象外である点、2 つ目は資金決済法に基づく分別管理の対象外である点、3 つ目は税制が雑所得・総合課税である点 (外貨定期預金は一律 20.315% 源泉分離課税)、4 つ目は利率の決まり方が募集ごとに変動する点です。
Q2. USDC レンディングはステーキングと同じものですか?
A. 名称が混同されることがありますが、別物です。ステーキングは PoS (Proof of Stake) ブロックチェーンでトークンをロックしてブロック生成に貢献する見返りに報酬を得る仕組みで、USDC はその対象ではありません。USDC レンディングは交換業者への貸出による利息獲得 (消費貸借取引) ですので、仕組みが異なります。
Q3. 利率はずっと年率10%ですか?
A. 当初募集 (12週間満期) のみ年率10%、通常時は年率5%程度が予定されています。利率は募集ごとに変動するため、毎回の募集画面で年率 (利用料率) を確認する形になります。
Q4. 募集はいつ・どこから申し込めますか?
A. 毎週木曜20時から、SBI VCトレードのアプリまたはシンプルモードの「貸コイン」メニューより先着順で申し込めます。1 募集あたりの申込上限は 5,000 USDC、お預かり残高上限は原則 100 万円相当です。
Q5. 国内の他社 (bitbank / Coincheck) でも USDC レンディングはできますか?
A. 国内ライセンス業者として USDC レンディングを公式に提供しているのは、現状 SBI VCトレードのみです。
Q6. 税金はどう扱われますか?
A. 利用料は雑所得・総合課税として扱われます。給与所得者で他の雑所得との合算が年間 20 万円以下であれば所得税の確定申告は不要です (住民税申告は別途必要)。所得規模が大きくなると合計税率が上がりますので、状況次第で税理士への相談も選択肢に入ります。
まとめ|USDC レンディングを始める前に押さえておきたい 3 つの視点
USDC レンディングは、米ドル連動のステーブルコインを国内ライセンス業者で運用できる新しい選択肢です。最後に、始める前に押さえておきたい 3 つの視点を整理しておきます。
1 つ目は、利率が募集ごとに変動する点です。当初募集は年率10% (12週間満期)、通常時は年率5%程度が予定されています。毎回の募集画面で利率を確認するのが基本になります。
2 つ目は、元本保証がなく、貸出中の USDC は分別管理の対象外である点です。中途解約も原則できず、税務は雑所得・総合課税として扱われます。これらは銀行の外貨預金とは性質が大きく異なりますので、生活防衛資金と切り分けたうえで貸出量を決めると分かりやすいでしょう。
3 つ目は、まずは少額から試してみるとイメージがつかみやすい点です。短期コースから挙動を確かめてみるところから始めれば、自分のペースで無理のない一歩を踏み出せます。利率・上限・募集タイミング (毎週木曜20時) は変動しますので、最新情報は公式サイトで確認してから判断してみてください。
