パナソニックホールディングスは6月2日、アクティアと戦略的業務提携を結び、ブロックチェーン基盤「Tracephere(トレースフィア)」の事業展開を資源循環分野で本格化すると明らかにした。2017年ごろから開発してきた基盤を、実証や研究の段階から企業向けの実務に移し、リサイクル材の由来や処理履歴、CO2排出量を改ざんできない形で記録できる仕組みとして収益化につなげる。

今回の提携で軸になるのは、環境対応を巡る企業の説明責任だ。資源循環や廃棄物管理では、素材がどこで生まれ、どの工程を経て再資源化されたのかを後から追えることが求められている。Tracephereは、そうした履歴をサプライチェーン全体で共有し、第三者も検証しやすい形で残せる点に特徴がある。環境貢献をうたうだけでは通りにくくなった企業実務で、グリーンウォッシング防止に向けた基盤として使う狙いだ。
Tracephereが扱うのは、廃棄物やリサイクル素材の流れだけではない。素材の原産地や再利用の工程ごとの記録に加え、各工程に伴うCO2排出量も追跡し、証明に使えるデータとして蓄積する。ブロックチェーンを土台に据えることで、あとから都合よく書き換えられない状態を保ち、取引先や監査先との間で同じ記録を参照できるようにする。
資源循環分野では、再生材の利用比率や排出量の算定根拠が調達先ごとに分散しやすく、申告値の裏取りに手間がかかる課題があった。Tracephereの事業化は、その情報を企業間でつなぎ、監査や開示に耐える履歴として残す実装例として位置づけられる。環境対応を経営課題として抱える製造業や流通業では、証明可能なデータをどう整備するかが取引継続にも直結しやすく、今回の提携はその需要を捉えた動きといえる。
6月2日の発表を受け、今後はパナソニックHDの基盤技術とアクティアの導入支援を組み合わせた企業向け展開が進む見通しだ。資源循環の現場でTracephereがどの業種に広がるのか、実装先でどこまで環境データの追跡と証明を担うのかが次の確認点になる。
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