米下院の暗号資産課税法案は、6月初旬の歳入委員会公聴会で民主党のスティーブン・ホースフォード議員が強く反発し、ステーキング報酬やマイニング報酬の課税時点をめぐる調整が必要な状態になりました。
小口取引の申告負担を軽くし、暗号資産に生じやすい二重課税のゆがみを改める狙いはあるものの、審議の入口で党派の隔たりが表面化しています。

ホースフォード議員は、公聴会で共和党案に「重大な懸念」があるとして、修正がなければ反対する考えを示しました。争点の中心は、バリデーションやステーキング報酬、マイニング報酬を受け取った時点で課税するのか、それとも売却して現金化した時点で課税するのかという点です。暗号資産を保有したままでも税負担が先に発生し得るため、個人参加者や事業者の納税実務に直結します。
ホースフォード議員は、少額利用の課税整理を目指したPARITY法案に関わった経験も踏まえ、慈善寄付の扱いにも異論を示しました。少額決済向けのde minimis免除(一定額以下の利益なら申告負担を軽くする仕組み)をどこまで広げるかに加え、ガス代(送金手数料)の報告負担や、ステーブルコイン(価格を法定通貨に連動させる暗号資産)を同じ枠組みで扱えるかどうかも、公聴会で並行して問われています。
共和党側は、日常的な少額決済まで課税計算を求める現行ルールが暗号資産の利用拡大を妨げているとして、税制の整理を急いでいます。委員会メンバーのキャロル・ミラー議員は公聴会後、自身の発言をXで共有し、税制が暗号資産投資のあり方を左右し、米国のイノベーション競争力を維持する必要があると訴えました。税負担の軽減を目指す共和党案と、課税の公平性や抜け穴の有無を重くみる民主党側の立場の違いが、この公聴会でははっきり表れています。
公聴会を終えた後の委員会審議では、ステーキング報酬とマイニング報酬の課税時点、慈善寄付の扱い、小口取引の免除範囲をどう書き換えるかが次の焦点になります。暗号資産税制の見直しは、前進を急ぐ段階から、条文の詰め方を詰める調整局面に入りました。

