COLDCARDを開発するCoinkiteは2026年7月30日、一部の旧ファームウェアで端末上に生成したウォレットのシードフレーズについて、本来より推測されやすくなる問題を公表しました。8月1日の更新では、影響を受ける全機種・全リリース系統向けの修正版が提供済みと案内し、対象バージョンで作成したシードを使う利用者に新しいシードへの移行を求めています。

被害規模について、暗号資産調査会社Galaxy Researchは、ビットコインの取引履歴や被害者からの報告、送金パターンを調査し、2026年8月1日時点で関連する流出額を1,367.05 BTC、対象を4,585アドレスと暫定的に推計しました。ただし、これはCoinkiteが確定した被害額ではありません。複数回に分かれた資金移動には、最初の攻撃者だけでなく、脆弱性を知った別の人物による模倣攻撃が含まれている可能性もあります。
シードフレーズは、端末の故障や紛失時にウォレットと資産を復元するための秘密情報です。本来は第三者が推測できない乱数をもとに作られますが、今回の問題では、端末が生成する乱数の強度が想定を下回る場合がありました。Coinkiteによると、Mk4、Mk5、Qでは、本来期待される128ビットに対して約72ビットまで低下する可能性があります。
影響を受けるのは、Mk2・Mk3のバージョン4.0.1〜4.1.9、Mk4・Mk5のStandard 5.6.0未満またはEdge 6.6.0X未満、COLDCARD QのStandard 1.5.0Q未満またはEdge 6.6.0QX未満で端末上に作成したシードです。対象となるのは端末そのものではなく、問題のあるバージョンで生成したシードである点に注意が必要です。
修正版は、Mk2・Mk3が4.2.0以降、Mk4・Mk5のStandardが5.6.0以降、QのStandardが1.5.0Q以降、Mk4・Mk5のEdgeが6.6.0X以降、QのEdgeが6.6.0QX以降です。StandardとEdgeは別の更新系統です。Edgeを利用している場合は、Standard版より数字が大きいという理由だけで安全と判断せず、機種に対応する修正版Edgeを導入する必要があります。
強力で固有のBIP-39パスフレーズを設定している場合は、攻撃者がシードに加えてパスフレーズも突き止める必要があるため、追加の防御になります。しかし、パスフレーズは弱いシードそのものを修復する機能ではありません。短い文字列、一般的な言葉、規則的な並び、引用文、他サービスとの使い回しは推測される可能性があります。ここでいうBIP-39パスフレーズは、COLDCARD端末のPINとは別のものです。
Coinkiteは調査を継続しており、今後、正式な技術レビューを公表する方針です。対象バージョンを使用していた利用者は、まずシードを作成した機種と当時のファームウェアを確認し、修正版の導入、バックアップ確認、少額送金の順で慎重に移行することが重要です。
参照:Coinkite公式
