分析によると、仮想通貨カードの月間取引量は6億ドルに達し、1年前の1億8700万ドルから3倍超に拡大しました。日常決済でオンチェーン資産をそのまま使う動きが加速するなか、カード利用の増加はステーブルコイン市場の地域別シェアの変化を映しており、USDT(テザー、米ドル連動のステーブルコイン)優位の構図にUSDC(米ドル連動の別のステーブルコイン)が食い込む流れが鮮明になっています。
クリプトカード 月間決済額 月間
今回の数字は、仮想通貨カードが投機的な利用ではなく、生活圏の支払い手段として広がっていることを示しています。デビットカードやプリペイドカード型のサービスを通じて、利用者は銀行口座を経由せずに暗号資産やステーブルコインを決済に回せるため、送金から支出までの摩擦が下がりやすい構造です。月間6億ドルという規模は、こうした仕組みが一部の先進的ユーザーに限られなくなってきたことを示す水準です。
取引の中心は引き続きUSDTですが、カード決済でのシェアは徐々に下がっています。代わりに存在感を強めているのがUSDCです。カード利用は実需に近いデータであり、取引所内の売買シェアとは性質が異なります。どのステーブルコインが実際の支払いで選ばれているかを測る指標として重視されます。
東南アジア、ラテンアメリカ、アフリカでは、これまで通りUSDTの利用が厚く、仮想通貨カードのボリューム拡大もこの需要に支えられています。一方でWestern市場では、規制適合性や発行体の透明性を重視する流れがUSDCに追い風となっています。カード決済の現場でUSDCが選ばれやすくなっていることは、ステーブルコイン市場が単一の勝者に収れんするのではなく、地域ごとに異なる基準で使い分けられる段階に入ったことをうかがわせます。
USDCの流通や取引量は2025年後半から伸びが目立ち、2026年に入っても拡大基調が続いています。月間取引量が1年で3倍超に膨らみ、USDCの利用増が地域別に観測されている点は、ステーブルコイン決済の重心が変わりつつあることを示しています。
