米上院で、暗号資産市場の監督権限を明確にするクラリティ法案が立法日程表に追加され、本会議で審議・採決に進める状態になりました。5月14日に上院銀行委員会を15対9の超党派で通過した法案が6月1日ごろに次段階へ移ったことで、米議会の暗号資産規制は、上院指導部による日程判断と農業委員会版との調整に進みます。

日程表への追加は、法案が自動的に採決されることを意味しません。上院本会議でいつ扱うかは指導部の判断に委ねられており、銀行委員会版と上院農業委員会版をどう統合するかも残っています。それでも、本会議で扱える状態になったことで、暗号資産市場のルール整備は上院での最終調整に近づきました。
クラリティ法案は、暗号資産市場を誰が監督するのかという論点を整理するための法案です。取引所や発行体、機関投資家にとっては、証券規制と商品規制の境界がどこに置かれるのかが事業判断に直結します。今回の手続き進展は、米国内で長く続いてきた規制の線引きに、議会側から明確な枠組みを与える動きとして受け止められています。
下院では関連法案が2025年7月17日に294対134で可決されており、上院側でも審議の土台が整いました。上院版で修正や統合が進めば、最終的には両院間で文言をそろえる作業が必要になります。銀行委員会と農業委員会の所管が重なる部分をどう整理するかが、今後の法案処理を左右します。
シンシア・ルミス上院議員は、クラリティ法案について「単なる暗号資産法案ではない。米国が次の金融システムを主導するのか、傍観するのかを決める判断だ」と述べました。暗号資産を個別銘柄の市場材料としてではなく、金融インフラの競争力を巡る制度設計として位置づけた発言です。
上院では6月29日から7月10日にかけての休会前に、法案処理を進める日程が意識されています。次の節目は、農業委員会版とのすり合わせと、本会議で扱う日程の確定です。