暗号資産と金融が交わる予測市場で、ポリマーケットとカルシの累計取引高が2026年4月に1500億ドルを超えました。2024年米大統領選で膨らんだ需要は選挙特需にとどまらず、規制整備と機関投資家の参入を伴う市場拡大へ移ったことが数字で裏付けられました。もっとも、同月は7カ月続いた月次最高更新が止まり、ポリマーケットのアクティブトレーダー数は3月の73万3000人超から約64万3000人へ減りました。
米暗号資産メディアのザ・ブロックが追跡するデータでは、両社の月次合計取引高は2025年9月以降、7カ月連続で過去最高を更新してきました。4月はその連続記録が途切れた一方、累計は節目を超えました。この記事を執筆したダニエル・クーン記者もXで「ポリマーケットとカルシの累計取引高は4月に1500億ドルを超えた一方、ポリマーケットでは取引活動とアクティブユーザーが落ち込み、7カ月連続成長が終わった」と投稿しています。
4月の減速は米国外向けのポリマーケット本体に集中しました。USDベースの取引高と名目取引高が下がり、アクティブトレーダーは前月から約9万人、率にして12%強減りました。その半面、ポリマーケットUS子会社(米国内向け事業)とカルシは4月も利用が伸びています。Duneのダッシュボードでも、ポリマーケット単体の2026年第1四半期取引高は235億ドル規模に達し、2月ごろには累計名目取引高が500億ドルを超えていました。4月の鈍化が市場全体ではなく、ポリマーケット本体に偏っていたことが分かります。
カルシは政治イベントに偏っていた取引をスポーツベッティングへ広げ、ロビンフッドとコインベースがカルシ市場へのアクセスを提供したことで、暗号資産ユーザーと個人投資家の流入経路が増えました。カルシのタレク・マンスールCEOは自社モデルについて「顧客が勝つときに私たちも勝つ。顧客が負けるときに私たちは勝たない」と説明しており、スーパーボウル開催時には1日で10億ドル超の取引を記録した実績も伝えられています。政治の大型日程が一巡した後も、スポーツや経済イベントに需要が散り、累計の伸びが続いている構図です。
機関投資家の資金も厚みを増しています。カルシは2026年3月、コーチュー主導で10億ドル超を調達し、企業価値は220億ドルとなりました。年換算売上高は約15億ドルで、スカスケハナのジェフ・ヤスも出資陣に名を連ねています。ポリマーケットにはニューヨーク証券取引所の親会社ICEが出資しており、予測市場が暗号資産ネイティブの実験段階を抜け、大手金融やヘッジファンドが資金を投じる事業として扱われ始めたことを映しています。
累計1500億ドルという数字は、2024年選挙の熱狂が過ぎた後も市場が縮まず、米国内の規制枠組みと大手プラットフォーム経由の流通を得て拡大を続けた節目です。次に出る5月分の月次データでは、ポリマーケット本体のアクティブトレーダー数が64万3000人から持ち直すか、カルシとポリマーケットUS子会社の伸びが累計1500億ドル超のペースを保てるかが確かめられます。
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