株式会社bitFlyerが公開した2025年12月期(第12期)の事業報告書と財務諸表によると、営業収益は135.67億円、営業利益は42.57億円と前年を下回りました。一方で、2025年8月に提供を始めたイーサリアム(ETH)ステーキングや法人向けアセットロックなど、顧客資産を生かすサービスを広げ、純利益24.61億円を確保しました。相場売買の手数料に頼りやすい収益構造から、継続収益を積み上げる運用型サービスへ軸足を移す動きが、今回の決算に表れています。
bitFlyerが公表した第12期事業報告書と財務諸表では、営業収益は前年149.04億円から135.67億円へ約9%減、営業利益は78.96億円から42.57億円へ約46%減、経常利益は90.95億円から44.15億円へ縮小しました。当期純利益も74.71億円から24.61億円に減少し、事業報告書基準の顧客預かり資産は2024年12月末の1兆1,788億円から2025年12月末には1兆472億円まで減りました。
事業報告書には「顧客資産を有効に活用するストック型ビジネス(継続収益型サービス)に注力し、市場環境に左右されにくい収益構造の構築を目指す」と記されています。売買手数料以外の収益源を増やすため、利用者が保有する暗号資産を預けたり固定したりして報酬を得るサービスの拡充を進めた格好です。
2025年8月にはETHステーキングを立ち上げました。ステーキングは保有するETHをブロックチェーン運営に預け、報酬を受け取る運用方法です。2024年12月に導入した定期貸しコインも継続して募集し、当期中に2銘柄を追加して取扱数を39銘柄に広げました。個人向けではbitFlyerクレカにタッチ決済機能を加え、日常利用の機能も広げています。
2025年11月27日には法人向けアセットロックサービスの提供を始めました。対象資産の売却や移転を制限し、法人が保有する暗号資産にかかる期末時価評価課税の適用除外要件に対応する仕組みで、発表資料(bitflyer.com/pub/20251127-Announcement-of-Asset-Lock-Service-Launch-ja.pdf)では手数料無料、簡単な申請で使えると案内しています。ETHなどステーキング対象資産はアセットロック後も報酬を受け取れるため、税務対応と運用継続を両立しやすく、法人や機関投資家の保有ニーズに応える内容となっています。
事業報告書は、市場環境の変化もこうしたサービス強化の前提として挙げています。2025年の暗号資産市場ではビットコインが一時1,715万円の過去最高値を更新した後、投機中心の売買から実需を伴う投資へ重心が移ったと整理しました。制度面では米国のGENIUS法とFIT21、欧州のMiCA(暗号資産市場規則)、日本の金融審議会ワーキング・グループ報告や税制の分離課税化・損失繰越控除を事業機会とみています。
第13期は、2025年8月に始まったETHステーキングと、同年11月に始まった法人向けアセットロックが通期で稼働する初めての年度になります。39銘柄体制となった定期貸しコインを含め、顧客資産を活用するサービス群の通年寄与は次回の通期決算で数字に表れます。
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