米ドル連動型ステーブルコイン「USDT」を発行するテザーは5月1日、2026年第1四半期に10億4000万ドル(約1600億円、1ドル=155円換算)の純利益を計上し、発行残高を上回る超過準備金を82億3200万ドル(約1兆3000億円)まで積み上げたと公表しました。市場の変動が大きい局面でも、USDTを裏付ける資産にこれまでで最も厚い余力が生まれたことになります。
BDOがISAE 3000に基づいて保証した2026年3月31日時点の報告書では、総資産は1917億6774万1495ドル、総負債は1835億3553万1717ドルでした。このうちデジタルトークン発行に関わる負債は1834億3848万7810ドルで、差額にあたる超過準備金は82億3220万9778ドルです。2025年12月末の63億3800万ドルからおよそ18億9400万ドル増え、過去最高を更新しました。
準備資産の中心は、短期の米国債を軸にした高い流動性を持つ資産です。報告書ベースで現金・現金同等物などは1412億ドル超あり、このうち米国短期国債が1170億ドルを占めました。テザーは、レポ取引などを含む米国債の直接・間接エクスポージャーが約1410億ドルに達し、国家単位では世界17位規模の保有者に相当するとしています。準備資産にはこのほか、金地金が約198億4000万ドル、ビットコインが約66億2400万ドル、過剰担保付き融資が約158億3000万ドル組み込まれています。
需要面では、新興国を中心としたドル需要の強さが続いています。アルドイーノ氏はXへの投稿で、USDTのユーザー基盤が第1四半期に5億7000万人へ拡大し、670億USDTが発展途上国の数百万人による貯蓄として保有されていると明らかにしました。地政学的な不確実性が高まる中でドル需要が広がったとの認識も示しています。
テザーは4月時点の動きとして、USDTの流通量が過去最高圏で推移し、50億USDT超増えたと述べました。個人向けウォレット「The People’s Wallet」の投入も第2四半期の需要を支えているとしており、次の四半期報告では、この流通増加が米国債中心の準備資産と超過準備金にどう反映されたかが更新されることになります。
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