ASAHI EITOホールディングスは5月25日、ユニスワップ上で実施した暗号資産流動性提供のテスト運用で、手数料などを差し引いた同社帰属分の利回りが年率14.6%(暗号資産ベース)だったと開示し、保有ソラナ(SOL)の売却とイーサリアム(ETH)の追加取得を通じて、日本円ベース約3億円規模へ運用を広げる方針を明らかにしました。大阪に拠点を置く上場製造業が、暗号資産を保有するだけでなく、取引手数料収入を狙う企業トレジャリー運用へ踏み込んだ格好で、しかも利回りより内部統制の検証を優先した点が注目されます。
同社がテストを行ったのは2026年5月1日から19日までの19日間です。約1,500万円相当の暗号資産を使い、ユニスワップでETHの流動性提供を実施しました。運用レンジは保守的に設定し、会社は「利回りの最大化よりも、実務上の課題の把握や、リスク管理、権限分掌、承認・報告体制の確認を重視した」と説明しています。短期テストで開示されたのは収益率だけではなく、上場会社としての運用フローそのものです。暗号資産価格の変動に加え、インパーマネントロス(流動性提供中に保有比率が変わることで生じる評価差)の管理をどう組み込むかも、今回の検証対象になりました。
同社は4月10日に実運用を始めており、保有ETHをユニスワップに預けて取引手数料収入を得るスキームを動かしていました。5月25日の開示では、このテスト結果を踏まえ、保有SOLを同事業向けに売却してETHを追加購入し、さらに日本円ベース総額約3億円規模のETHを段階的に取得して流動性提供に回す計画を示しました。通貨ペアの見直しと運用レンジの調整を進め、目標年率20%に近づける考えです。運用規模は、市場環境と資金調達の進捗を見ながら順次引き上げます。
