トランプ米大統領は5月26日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、米商品先物取引委員会(CFTC)が予測市場に対する排他的管轄権を維持することは「極めて重要だ」と投稿し、米国を「仮想通貨の首都」として守る方針を改めて示しました。州ごとの禁止や訴訟に連邦当局が対抗する構図が鮮明になり、トランプ政権の暗号資産優先路線は予測市場にも広がっています。
予測市場を巡っては、2024年の米大統領選で暗号資産ネイティブのポリマーケットが存在感を高めた後、州当局がギャンブル規制を根拠に差し止めや提訴を強めてきました。CFTCの整理では、カルシ、ポリマーケット、コインベース、Crypto.comなどが約50件の州主導訴訟に直面しており、今回の大統領発言は、こうした案件に対して連邦の監督権限を前面に押し出すメッセージと受け止められています。
CFTCのマイケル・セリグ議長は1月29日の演説で「America at 250: The Crypto Capital of the World」と掲げ、トランプ政権下で「オペレーション・チョークポイント2.0」と批判されてきた銀行アクセス圧力が終わり、規制執行頼みの方針も死滅し、GENIUS Actが成立したと説明しました。その演説では、予測市場についても2024年に提案されていた政治・スポーツ契約の禁止ルールを撤回し、新たな規則づくりに入る方針を明らかにしています。
セリグ議長が予測市場を擁護する理由として挙げているのが、イベント契約をCFTCが数十年にわたりデリバティブとして監督してきた歴史です。価格が分散した情報を集約し、企業や投資家のリスクヘッジにも使われると当局は説明しており、州がギャンブルとして一律に締め付けることには強く反対しています。
ミネソタ州を巡る対立は、その姿勢を最もわかりやすく示しています。CFTCは5月19日、ティム・ウォルズ知事が署名した州法の差し止めを求めて提訴しました。この法律は8月1日に施行予定で、予測市場の運営や支援を重罪扱いにする内容を含みます。セリグ議長はこの時、「ミネソタ州法は、合法的な予測市場の事業者と参加者を一夜にして重罪犯にする」と反発していました。トランプ氏の投稿は、この訴訟から1週間後に出ています。
3月12日に始まったCFTCの意見募集と、8月1日に施行が迫るミネソタ州法を巡る差し止め手続きが、次の具体的な日程になります。予測市場を連邦のデリバティブ規制で扱う方針がそのまま定着するのか、裁判とルール整備が並行して進みます。
