米金融当局5機関が、決済用ステーブルコイン発行者に銀行に近い本人確認を義務づける規則案を公表しました。マネーロンダリング対策を強めながら、ステーブルコインを決済インフラとして制度に組み込む動きが具体化しています。

対象は、GENIUS Actで定義されるpermitted payment stablecoin issuers(PPSI、許可された決済用ステーブルコイン発行者)です。規則案は、発行者の規模や業務内容に応じた書面の顧客識別プログラム(CIP)を整備し、資金洗浄対策とテロ資金供与対策の管理体制の一部として運用することを求めています。
本人確認の焦点は、ステーブルコインの発行時と償還時にあります。発行者は顧客の属性や取引リスクに応じて確認手続きを組み立て、必要な情報を取得し、記録を5年間保持できる体制を整えることになります。発行から換金までの入口と出口に、銀行に近い利用者確認を組み込む方向性が明確になりました。
この規則案は最終決定ではなく、今後はコメント募集を通じて内容が詰められます。米当局はステーブルコインを既存の金融規制の外に置くのではなく、決済手段としての普及を見据えながら、最低限の本人確認と記録管理を求める枠組みを整えようとしています。
市場にとっては、発行者のコンプライアンス負担が増す一方で、規制の輪郭が明確になることで、決済用ステーブルコインの制度的な位置づけが強まる可能性があります。今後の焦点は、コメント募集で義務の範囲や運用負担がどう調整されるか、そして最終規則がどこまで銀行並みの管理を求める内容になるかです。
参照:公式
