信託型ステーブルコインは、資金移動業型に適用される1回100万円の送金上限をもともと受けない。一方、外部流通や個人による大口決済には税務・実務上の課題が残る。日本経済新聞は2026年8月24日、金融庁がこうした課題の緩和を税制改正要望に盛り込む方針だと報じた。

今回の段階は、政府・与党の税制改正議論に金融庁の要望として出す方針にとどまる。JPYSCはSBI VCトレードの口座内で既に売買でき、最大発注数量は1取引1億JPYSCとなっている。外部への入出庫やパブリックチェーン上での決済は始まっていない。
今回の論点は、ステーブルコイン全体に一律で100万円の上限があるという話ではない。第二種資金移動業者には1件あたり100万円の送金上限がある一方、信託銀行が発行する信託型ステーブルコインには同じ上限がかからない。
国内では、SBIホールディングスとスターテイルが2026年6月24日に円建てステーブルコイン「JPYSC」の先行提供を始めた。JPYSCはSBI新生信託銀行が発行する信託型のステーブルコインで、公式発表では資金移動業型に適用される滞留・送金の100万円制限を受けないと整理されている。
JPYSCの先行提供はSBI VCトレードの口座内に限られる。SBI VCトレードの公式商品ページも、現在はJPYSCを入出庫できないと案内している。パブリックチェーン上での流通は、関係法令や税務実務などの整理を終えた後に移る計画となる。
金融担当相は2026年6月26日の会見で、信託型円建てステーブルコインについて、税制を含む技術的な取扱いに整理が必要な事項が残るとの認識を示した。金融庁は制度面を含めて支援する考えにも触れている。
信託受益権の譲渡対価を支払う法人や信託受益権販売業者には、国税庁が案内する「信託受益権の譲渡の対価の支払調書」の提出手続きがある。今回の要望がこの手続きのどの部分に関わるかは、税制改正要望の本文で確認する必要がある。
高額決済での利用は、自動車や住宅の購入といった場面が想定されている。販売事業者の対応、開始日、決済上限、本人確認やマネーロンダリング対策との関係は、今後の制度整理で確認する項目となる。
参照:日本経済新聞
