米連邦準備制度理事会(FRB)は、住宅取得支援関連法に盛り込まれた中央銀行デジタル通貨(CBDC)への制限により、デジタルドルを2030年末まで発行できなくなります。政府発行デジタル通貨に対するブレーキが米国で法制化され、民間ステーブルコインとの競争や政府監視への懸念に直結するためです。

対象となる制限は、住宅取得支援を目的とする超党派の住宅法案に含まれています。トランプ大統領は署名しませんでしたが、正式な拒否権は行使していません。米国憲法では、大統領に送付された法案は10日以内に差し戻されなければ、署名がなくても法律として成立します。
今回の条項により、FRBは2030年末まで独自のデジタルドルを発行できません。FRBが直ちにCBDCを導入する具体的な計画を進めていたわけではありませんが、過去のFRB幹部は、こうした取り組みにはホワイトハウスの支持と議会の承認が必要になるとの立場を示してきました。
共和党議員は、CBDCが政府による金融取引の監視拡大につながるおそれがあるとして、制限の導入を求めてきました。暗号資産業界も、政府発行のデジタルドルが民間企業のステーブルコインと競合する点を問題視しています。欧州や中国ではCBDCの検討や実証が進む一方、米国では政治的な反発が強まり、住宅法案の中にデジタルドル制限が組み込まれました。
トランプ氏は、上院が有権者の市民権証明や本人確認を強化する法案を可決できていないことへの抗議として、住宅法案に署名しない考えを示しました。自身のSNSでは「住宅法案には署名しない」と述べ、選挙制度をめぐる要求を優先する姿勢を示しました。
この姿勢が、今夏に議会通過を目指すデジタル資産市場明確化法案にどこまで影響するかも注目されています。住宅法案は米国時間7月11日午前0時に成立し、CBDC制限も同時に発効します。
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