量子耐性の検証経路を通過して取引が実行されるビットコインのサムネイル

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初の量子耐性ビットコイン取引を実行と発表|QSBをメインネットで実証

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スタークウェア(StarkWare)とスタークネットは2026年8月26日、スタークウェアのアビフ・レヴィ氏が開発したQSB(量子安全ビットコイン)を使い、現在のビットコインメインネット上で量子コンピューターによる署名破りに備える取引を実行し、同社はこれを初の量子耐性ビットコイン取引と発表した。ソフトフォーク(互換性を保った仕様変更)や合意規則の変更を待たず、ハッシュベースの防御層を現在のビットコイン上で動かせる限定的な経路を示した点が今回の中心となる。対象取引はビットコインのブロック964,199に取り込まれ、日本時間27日午前5時48分に承認された。

QSBを使った量子耐性ビットコイン取引の承認ブロックと防御層、送信経路を示した解説画像

オンチェーンで確認できるトランザクションIDは「305a24ffea912b9cf428f29ebf952321c96dab5bab284fc0d0801562f5abab07」。取引は2つの入力から44,000サトシを送り、手数料として5,179サトシを支払った。QSBの支出条件に使われた入力は、9,923バイトの大規模な非標準スクリプトでロックされた10,000サトシの出力にあたる。テストネット上の試験ではなく、既存のビットコイン合意規則のもとでメインネット上に承認されたことが、今回の実証で確認された。

一般的なビットコイン取引は、ECDSAやシュノア署名などの楕円曲線暗号に依存する。将来、十分な性能を持つ量子コンピューターがショアのアルゴリズムを実行できるようになれば、公開鍵から秘密鍵を導き出されるリスクがある。QSBはこの問題に対し、RIPEMD-160の逆像耐性と、HORS/ランポート型の一回限り署名を組み合わせ、取引の安全性をハッシュベースの仕組みに移す。

QSBで使われる署名研磨は、シーケンスやロックタイム、署名の組み合わせを変えながら、公開鍵のハッシュが有効なDER署名形式になる条件を探す処理を指す。条件を見つけた後に取引内容を変えると、膨大な探索をやり直す必要があるため、対象取引を特定の内容に固定できる。公開鍵そのものをメンプール(未承認取引の待機場所)から隠す仕組みではない。公開鍵が見えても、支出条件の安全性を楕円曲線署名だけに依存させない第2の防御層として使われる。

今回の取引は通常のメンプールを経由していない。QSBは既存の合意規則には適合するが、一般的なビットコインノードの中継基準を超える非標準取引となるため、マラのスリップストリームを使って採掘者へ直接送信された。合意規則上は有効でも、通常のウォレットから一般取引と同じように送れるわけではない。

実用面の制約も残る。公開リポジトリは、署名研磨に必要なクラウドGPUの計算費を1取引当たり75〜150ドルと見積もる。レガシースクリプトの上限である非プッシュ命令201個、スクリプト1万バイト近くを使うため、日常決済よりも高額資産を守る緊急手段に近い性格を持つ。公開実装には8月26日にも署名検証に関する不具合修正が反映されており、監査や運用ツールの整備を含め、研究段階の技術として見る必要がある。

今回の成功は、ビットコイン全体が量子耐性を得たことを意味しない。スタークウェアが示したのは、現在のビットコイン上でハッシュベースの支出条件を成立させられる範囲に限られる。今後は計算費の削減、一般的なウォレットへの組み込み、非標準取引の送信方法、BIP 360などプロトコルレベルの長期対策との役割分担が検討対象になる。

参照:公式

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gamefi.town編集部

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