米証券取引委員会(SEC)は5月28日、パクソス傘下のパクソス・セキュリティーズ・セトルメント・カンパニー(PSSC)をクリアリング機関として登録しました。これにより、同社は米国で初めてブロックチェーンネイティブな中央証券保管機関(CSD)として適格米国株の決済を扱えるようになりました。2024年に米国株の決済サイクルがT+1(約定翌営業日決済)へ短縮された後も残っていた待機時間を、同日またはほぼ即時まで縮められる道が開きます。
Paxos Securities Settlement Company has been granted registration as a clearing agency by the SEC.
We are now the only blockchain-native firm registered to provide clearing and settlement infrastructure as a central securities depository in the United States.
With this…
— Paxos (@Paxos) May 28, 2026
今回の認可でPSSCは、適格な米国株について、DVP決済(証券と資金を同時に受け渡す方式)のクリアリング・セトルメントをブロックチェーン上で提供できます。SECの登録を受けてこの役割を担うブロックチェーンネイティブ企業は米国で同社のみで、DTCCが長く担ってきた売買成立後の受け渡しインフラに、新たな選択肢が正式に加わりました。

SECは2019年10月28日、パクソスにノーアクションレターを交付し、最大7参加者、24カ月の実証フェーズ、数量と価格に厳しい上限を設けたうえで、上場米国株の小規模DVP決済パイロットを認めていました。パクソスのチャールズ・カスカリラ共同創業者兼CEOは今回の認可にあたり、「当社のクリアリング機関登録は、2019年のノーアクションレターと、世界最大級かつ最も洗練された金融機関の一部と運営した決済パイロットに始まる、SECとの7年間の取り組みの結果だ」とコメントしています。
パイロットは2020年2月に始まり、バンク・オブ・アメリカ、クレディ・スイス、ソシエテ・ジェネラルなどが参加しました。パクソスはこの日次運用でT+0(取引当日決済)を実証し、コスト削減と運用効率の改善を確認したと説明しています。T+1でも受け渡しは1営業日後になるため、その間は資金や在庫が拘束されます。同日またはほぼ即時の決済に短縮できれば、機関投資家にとっては資本効率の改善が見込みやすく、トークン化された証券の取り扱いとも相性がよい仕組みです。
PSSCは2025年7月14日にForm CA-1(クリアリング機関登録申請書)をSECへ提出し、2026年2月27日の修正申請を経て審査を進めてきました。SECは3月11日の告示で審査期限を5月28日まで延長しており、今回はその手続きを終えて付与された登録となります。
パクソスは親会社ベースで、米通貨監督庁(OCC)、シンガポール金融管理局(MAS)、フィンランド金融監督庁(FIN-FSA)の健全性規制を受けています。企業向けではペイパル、マスターカード、インタラクティブ・ブローカーズ、メルカドリブレとの取り組みがあり、ペイパルUSD(PYUSD)などのデジタル資産発行実績も持ちます。パクソス公式Xは今回の認可後、「米国で中央証券保管機関としてクリアリング・セトルメントのインフラを提供する唯一のブロックチェーンネイティブ企業になった」と投稿し、大手企業向け基盤に新たな機能が加わったと伝えました。
参照:公式
