米上院銀行委員会のティム・スコット委員長、エリザベス・ウォーレン筆頭委員、下院金融サービス委員会のフレンチ・ヒル委員長、マキシン・ウォーターズ筆頭委員は6月16日、住宅法案「21st Century ROAD to Housing Act」の更新版テキストを共同公開しました。住宅供給の拡大と住宅取得コストの抑制を主目的とする包括的な住宅関連立法に、連邦準備制度理事会(FRB)によるCBDC発行を2030年12月31日まで禁じる条項が付帯された点が注目されています。

同法案は、住宅供給を増やし、住宅取得や賃貸の負担を下げ、住宅関連の規制負担を軽くすることを柱にしています。更新版では、上院・下院・ホワイトハウス側の優先事項を一つのパッケージにまとめ、住宅市場における機関投資家の影響を抑える条項も盛り込まれました。
CBDC禁止条項は、住宅政策とは直接関係の薄いデジタル通貨規制を住宅法案に組み込んだものです。条文は、FRBが中央銀行デジタル通貨(CBDC)または実質的に類似したデジタル資産を発行・創設することを2030年12月31日まで禁じる内容です。
この禁止は恒久措置ではなく、期限付きの停止措置です。CBDCの恒久禁止を求める立場からは不十分と見られる一方、住宅法案を前進させるために複数の政策課題をまとめた妥協案としての性格があります。2031年以降の扱いは、将来の議会や政権の判断に委ねられます。
暗号資産・デジタル資産分野では、FRBが個人向けデジタルドルを制度化する余地が少なくとも2030年末まで狭まる点が重要です。ただし、今回の法案は住宅政策が中心であり、暗号資産市場への資金流入や民間ステーブルコインの採用拡大を直接決めるものではありません。
今後の焦点は、更新版テキストが上下両院の最終審議を通過し、大統領署名まで進むかです。CBDC禁止条項が時限措置のまま維持されるのか、恒久禁止を求める修正論が強まるのかも、米国のデジタルドル政策を見るうえで重要な論点になります。
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