ブラックロックは8月4日、欧州のマネー・マーケット・ファンド(MMF、短期金融商品で運用する投資信託)でトークン化した持ち分の提供を始めた。対象となるのは約3110億ドル規模の既存資産で、機関投資家向けの資金管理をブロックチェーン上へ広げた格好となった。

対象は同社の「BlackRock Institutional Cash Series(ICS)」に含まれる6ファンドで、ユーロ、英ポンド、米ドル建てを含む12種類のオンチェーン株式クラスを新設し、欧州など複数の市場で提供する。6ファンドの運用資産残高は6月30日時点で合計3110億ドルとなり、1ドル160円換算で約49兆7600億円に達した。
この約50兆円は、オンチェーン化の対象となるICSファンド全体の運用資産残高を指し、ブロックチェーン上で実際に発行・移転される金額そのものではない。トークン1つは原資産となるICSファンド1株に対応し、公式の株主名簿は移転代理人(投資家名簿や持ち分移転を管理する事務会社)が管理し続ける。
トークン化基盤にはJPモルガンのブロックチェーン部門キネクシスを使う。トークンはイーサリアム上で発行され、投資家はスマートコントラクトを通じて、承認済みデジタルウォレット間で24時間365日、持ち分を移転できる。ICSの移転代理人はJPモルガン傘下の運営会社が引き続き担う。
キネクシスのグローバル市場開発責任者カーラ・ケネディ氏は、今回の展開について「トークン化は概念から実行の段階へ移った」と述べた。ブラックロックは8月3日にも米国でトークン化MMF2本を出しており、欧州でのICS展開で米欧の両市場にまたがるMMFのオンチェーン化を進めた。
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