米暗号資産市場のルールを定めるクラリティ法案は、9月15日に上院で本格審議へ進めるための投票に失敗し、今会期中に成立へ進む道が事実上、中間選挙後のレームダック会期に限られた。法案は最終否決されていないものの、再投票の日程は決まっていない。限られた会期内に超党派の修正合意をまとめ、上院で通常必要となる60票を確保しなければならず、成立へのハードルは極めて高い。

上院の採決は賛成49、反対50、不投票1だった。討論を終えて本格審議へ進むには通常60票が必要なため、少なくとも11票足りない。再投票で60票を確保するには、現在の賛成票を維持したうえで、倫理規定や違法金融対策、投資家保護、銀行への影響などを巡る対立を解消し、民主党を含む超党派の修正合意をまとめる必要がある。
難しいのは、上院で60票を集めるだけでは成立しない点だ。上院が下院通過版を修正すれば、下院による再承認か、両院間で法案の文言を統一する作業も必要になる。レームダック会期は年末までの限られた期間であり、歳出法案など他の重要案件と並行して、修正協議から上下両院の採決まで終えなければならない。
さらに、11月3日の中間選挙によって上下両院の多数派は変わる可能性があり、法案を扱う委員会の構成や本会議日程の主導権、暗号資産政策の優先順位に影響する。法案の優先順位や受け入れ可能な規制内容も変化する。次期議会での仕切り直しを見据える動きが強まれば、現行案を年内に成立させるための合意形成はさらに難しくなる。
レームダック会期でも成立できなければ、法案は2027年1月3日の新議会開始に伴って失効する。H.R.3633は下院通過済み、上院カレンダー登載済みという現在の位置を失い、次期議会で法案提出から審議、採決まで原則としてやり直さなければならない。今回の手続き投票不成立は単なる数カ月の延期ではなく、クラリティ法案の成立時期を大きく後退させる結果となった。
参照:採決記録

