参議院は2026年7月15日、暗号資産を金商法の対象とする改正法を可決・成立させました。暗号資産は有価証券とは区別したまま、規制の中心が資金決済法から金商法へ移ります。原則施行は公布から1年以内です。

発行者がいる「特定暗号資産」は、募集時・年1回・重要事実の発生時という3段階で情報開示が必要になります。監査を付けない募集では、一般投資家の購入上限を原則50万円とし、50万円を超える場合も年収または純資産の5%以内、最大200万円とする予定です。ビットコインのように特定の発行者がいない銘柄は、取引業者が取扱開始時と重要な変更時に情報を公表します。
登録対象は売買に加え、募集・売出し、借入れ、運用・助言、仲介まで広がります。業者には不正流出時の補償に備える責任準備金や、自己資本比率の管理など、証券会社に近い体制が求められます。
未公表の取扱開始・中止や大量売買を知った関係者は、公表前の売買、情報伝達、取引推奨が禁止されます。大量売買は発行済み数量の20%以上を基準とする予定です。インサイダー取引には最大5年の拘禁刑または500万円以下の罰金、無登録営業には最大10年の拘禁刑または1,000万円以下の罰金が科され、併科される場合もあります。無登録業者による一定の販売契約は原則無効です。
ETF・分離課税への意味
今回の改正は、国内で暗号資産ETFを組成するための土台です。暗号資産の運用や取引を金商法で監督できるようになり、今後、投信法施行令の改正、商品設計、上場審査が進めばETFを実現できます。NISAの対象になるかは別途決まります。
分離課税も今回の改正と連動します。登録業者が扱う一定の暗号資産は税率20%(所得税15%・住民税5%、復興特別所得税を含めると実質20.315%)となり、損失を3年間繰り越せる仕組みです。適用は改正金商法の施行年の翌年1月1日以後となるため、今回の成立は制度開始の前提が整ったことを意味します。
具体的な施行日や対象範囲は、今後の政令・内閣府令で固まります。
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