報道によると、プーチン大統領は2026年8月4日、個人投資家を含む暗号資産取引を規制下に置く新法に署名しました。ロシアで暗号資産の購入、仲介、組織取引、交換、保管がロシア銀行の管理対象になり、支払い利用は禁止のまま残るため、国内の投資取引と決済を分ける制度転換になります。
この制度は「デジタル通貨およびデジタル権利について」の枠組みです。ロシア政府は3月30日に法案提出を承認し、国家院は7月21日に第2・第3読会で可決しました。法成立に向けた手続きが進み、監督体制を整える前提が固まりました。
取引所、ブローカー、運用会社は既存免許に基づいて暗号資産業務を行い、暗号資産交換業者やデジタル保管機関には新たな登録・監督制度が設けられます。ロシア銀行は7月27日、組織取引やデジタル保管機関、資産・口座記録に関する規則案を公表し、規制影響評価に付しました。市場参加者には2027年7月1日までの移行期間が設けられているため、9月1日の発効時点で全サービスが一斉に始まるとは限りません。
個人投資家への影響は段階的です。非適格投資家は、理解度確認テストに合格すれば、流動性の高い暗号資産を1仲介業者あたり年30万ルーブルまで購入できます。適格投資家にもテストは必要ですが、購入できる暗号資産の種類や金額に同じ上限は設けられていません。ロシア国内の商品やサービスの支払いに暗号資産を使うことは引き続き禁止されます。
事業者向けには、輸出入に関わる企業が暗号資産を越境決済に利用できる道が開かれます。ロシア銀行は、仲介業者を通す方法に加え、各種ウォレットと暗号資産を使った直接取引も想定しています。国内の投資・取引と対外決済を切り分けながら、規制の外にあった取引を管理可能な枠内へ移す制度変更です。
今後の焦点は、9月1日の主要規定発効に向けて、ロシア銀行が対象となる暗号資産の範囲や市場参加者の運用条件をどこまで具体化するかです。市場参加者には2027年7月1日まで、免許取得と新要件への適合に向けた移行期間が設けられています。交換業者や保管機関などが必要な登録や免許取得を進め、実際にサービスを開始できるかが制度の実効性を左右します。
参照:公式
