SpaceXのSPCX上場をきっかけに、Hyperliquid上のSPCX無期限先物へ短期資金が集中しました。大型IPOへの投資需要が膨らむ一方で、実株やトークン化株式へのアクセスには制約があり、24時間取引できる株式連動デリバティブが代替的な売買先として注目された形です。
SpaceXは6月11日、普通株式クラスAの新規株式公開(IPO)価格を1株135ドルに決定しました。公式発表では、5億5,555万5,555株を売り出し、6月12日にNasdaq Global Select MarketとNasdaq Texasでティッカー「SPCX」として取引を始める予定でした。引受証券会社には、30日以内に追加で最大8,333万3,333株を購入できるオプションも付与されています。

暗号資産市場側で話題になったのは、SpaceX株そのものではなく、HyperliquidのHIP-3市場で取引されるSPCX連動の無期限先物です。SPCX永久先物の上場日出来高は約14億ドルに達し、同日のHIP-3市場全体の約30%を占めました。IPO前3週間のSPCX日次平均出来高は約2,600万ドルだったため、上場日には約54倍へ急拡大した計算です。
出来高が膨らんだ背景には、SpaceX IPOへの需要過多があります。CoinPostは、バイナンス、バイビット、ビットゲットの3社が、SpaceXのトークン化株式への申込金を返金したと報じています。トークン化株式プラットフォームのxStocksが、需要に見合う裏付け株式を確保できなかったためです。実株や実株裏付けトークンの割当が限られるなか、価格変動に参加できる別ルートとしてSPCX先物に関心が向かいました。
HyperliquidのHIP-3は、外部ビルダーが独自の無期限先物市場を展開できる仕組みです。暗号資産だけでなく、株式やコモディティなど実世界資産に連動する市場をオンチェーンで立ち上げやすくなっています。
ただし、SPCX先物はSpaceX株式そのものではありません。保有してもSpaceXの株主権やIPO株の割当権を得るわけではなく、SPCX価格に連動するデリバティブを取引しているにすぎません。
今回の動きは、Hyperliquidにとって株式連動型オンチェーン先物の存在感を示す事例になりました。CoinPostは、6月前半の株式連動無期限先物の合計出来高が188億ドルを超え、原油とブレント原油の合計出来高を大きく上回ったとも伝えています。米国株式の通常取引時間外でもヘッジや投機ができる場として、HIP-3市場が使われ始めていることがうかがえます。

