リキッド・ネットワークで前日に流出した約4,000 BTCのうち3,400 BTCが2026年9月7日にフェデレーションウォレットへ返還され、同ネットワークは資金の大半を回収した一方、約598.5 BTCが実行者側のアドレスに残った。返還額は当時約2.68億〜2.69億ドル相当で、回収率は約85%となる。

返還トランザクションは9月7日16時09分(UTC)前後、ビットコインのブロック965,950で確認された。送金先はリキッドのペグスクリプトアドレスで、引き出し後に集約されていた約3,998.5 BTCのうち、3,400 BTCが戻され、約15%にあたる残額が実行者側に残った形となる。
今回のやり取りは、ビットコインのOP_RETURN(取引に短い任意データを記録する領域)とPGP署名付きメッセージを使ってオンチェーン上で進められた。実行者側は当初、資金を保有するアドレスから「オンチェーンで連絡してほしい」と記録し、その後「バグを先に修正し、すべてのノードにパッチを当ててから安全に返還する」と条件を示した。
ブロックストリーム側とみられるアドレスは、署名付きメッセージで「ブリッジノードにはパッチが適用され、資金を返還して安全です」と返答した。その後、3,400 BTCの返還が実行された。
リキッドは、ビットコイン関連企業ブロックストリームが関わるビットコインのサイドチェーン(本体のビットコインとは別に動く補助的なネットワーク)である。9月6日のインシデント告知では、自称ホワイトハットがサイドスワップのペグアウト経路を通じて約4,000 BTCを引き出したこと、PAK自体は侵害されていないこと、他の発行資産には影響がないこと、サイドチェーンを一時停止したことが示されていた。
今回の返還で最も大きな未解決点は、約600 BTCが実行者側に残ったことにある。レジャーの最高技術責任者チャールズ・ギルメット氏は、3,400 BTCが戻った一方で約600 BTCを残している点について、報奨というより強要に見えると批判した。金額は約4,700万〜4,800万ドル規模に上り、一般的なバグ報奨の水準とは別に、オンチェーン交渉と資金留保の扱いが暗号資産セキュリティの議論を呼んでいる。

