エセナは2026年9月1日、合成ドルUSDeをスマートフォン上の残高、カード決済、送金に結び付ける自己管理型アプリ「Ethena Pay」のベータ版を公開し、USDeを取引・運用から日常の支払いへ広げる消費者向け展開を始めた。利用者は銀行IBANまたは暗号資産で入金し、アプリ内ではUSDe残高として保有する。

利回りは、無料のスタンダードで年最大5%、上限5,000ドル、プロで年最大6%、上限1万5,000ドル、VIPで年最大6%、上限5万ドルとなる。プロは2,000ドル相当のENAロックまたは紹介10人、VIPは1万ドル相当のENAロックまたは紹介50人が条件となる。最大6%という表示はUSDeの基礎レートを含む合計となる。
残高上限を超えた部分は、USDeの基礎レートだけを得る扱いとなる。報酬は対象残高の日次加重平均をもとに毎日発生し、通常は発生日の終了後24時間以内にUSDeで支払われる。月に少なくとも1回の対象カード取引が必要で、デイリーブーストは利息、利回り、預金ではなく、政府の預金保険の対象にもならない。
カード利用の一般キャッシュバックは、対象取引の米ドル価値に対してスタンダードが4%、プロが4.5%、VIPが5%となる。還元はAVAX建てで支払われ、月間利用額が一定の帯を超えると、その後の利用分だけ還元率が下がる。プロの例では、月9,000ドルの利用に対して最初の8,000ドルに4.5%、残り1,000ドルに2%が適用され、合計380ドル相当となる。
手数料は、口座開設、月額、不活動の各費用がかからず、米ドル建ての支払いも無料となる。外貨決済ではエセナ・ペイ側の為替手数料、クロスボーダー手数料、為替上乗せはなく、カードネットワーク側の変換費用が実費で転嫁される。多くの通貨ではおおむね1%。利用可能な場合のATM現金引き出しは1ドルと引き出し額の0.65%がかかり、ATM事業者の追加手数料が乗る場合がある。
ベータ版はiOS向けに提供され、初期は先行400人に開放される。利用できる地域はラテンアメリカ、カリブ海地域、アジア・中東、アフリカ、オセアニアの49か国で、対応地域内では9月中に週次で対象者を広げる予定となる。米国、EU、英国、スイス、カナダ、台湾、韓国などは対象外で、カードは米国市民や米国居住者などを除く非米国人向けとなる。
決済、送金、セトルメント(支払い後の受け渡し処理)には、アバランチが専用チェーンとして使われる。エテナ創業者のガイ・ヤング氏は、アバランチが早い段階から実物資産とトークン化資産に力を入れてきた点に触れ、「エセナ・ペイはアバランチのエコシステムにすでにある流動性とアプリケーションに接続し、利用者が分散型金融を直接操作しなくても使える体験として提供できる」と説明している。
エセナ・ペイのベータ展開は、まずアイオーエスと対応地域の先行利用者から始まる。9月中の週次拡大後、アンドロイド対応、米国とEUでの提供、複数通貨口座が次の追加予定として示されている。
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