金融庁は2026年6月2日に公表した、3月31日開催の金融行政モニター意見交換会の議事要旨で、暗号資産規制を金融商品取引法へ移行することで、海外の無登録業者に対する執行を強化する方針を示した。課徴金納付命令の勧告や緊急差止命令の申立てが使いやすくなり、日本居住者を狙った勧誘への対応が一段と進む見通しだ。

議事要旨では、金融庁幹部が、証券取引等監視委員会による課徴金納付命令の勧告を活用しやすくなると説明した。さらに、裁判所への緊急差止命令の申立ても可能となり、資金決済法の枠組みでは取りにくかった措置を、金商法の執行手段として使えるようにする考えを示した。
今回の発言は、暗号資産を決済手段にとどまらず投資対象として捉え、規制の軸足を移す流れを、執行面から具体化したものだ。無登録の海外業者が日本の利用者に接触する場面では、警告だけでなく、金銭的不利益を伴う行政対応や司法手続きまで視野に入るため、当局の実効性は大きく変わる。
金融庁が監視ポイントとして挙げたのは、事業者の登録状況、日本居住者への勧誘の有無、資金回収の可能性だ。どこで利用者に接触しているのか、違反があった場合に資金の追跡や回収が見込めるのかを含めて確認する構えで、海外業者の営業実態をこれまで以上に細かく見る方向がうかがえる。
海外当局との連携強化も盛り込まれた。金融庁幹部は、IOSCO EMMoUに基づく調査協力を進める考えにも触れており、国際証券監督者機構の多国間情報交換枠組みを使って、国外に拠点を置く事業者の実態把握や執行につなげる狙いがある。国内だけでは追いにくい案件でも、各国当局との情報連携が前提となる。
参照:fsa.go.jp
