米下院共和党指導部が9月後半の本会議採決を取りやめたことで、暗号資産市場の監督権限や取引ルールを定めるクラリティ法案は、9月15日の上院手続き投票を通過しても、選挙前に成立へ進む時間が大きく狭まった。

下院はレイバーデー休会後の9月14日に議事を再開し、通常日程では9月17日までにワシントンを離れる。取り消されたのは9月21日と28日の週に予定されていた計8投票日で、本格的な再開は11月3日の中間選挙後となる見通しとなる。上院が予算決議を採択した場合などには、48時間前通知で議員を呼び戻せるものの、通常の採決日程としては9月後半の枠が消えた。
クラリティ法案は、暗号資産の取引、発行、監督をめぐる市場構造法案となる。下院は2025年7月17日に同法案を294対134で可決し、共和党216人、民主党78人が賛成した。上院では銀行・住宅・都市問題委員会が2026年6月1日に全面修正案付きで報告し、上院本会議で審議や採決に進める第423号の案件として扱われている。
9月15日午後2時15分に予定されている上院投票は、法案そのものを最終可決する採決ではない。審議入り動議に対する討論終結、いわゆるクローチャー投票で、上院が本格審議へ進むための手続き上の関門となる。立法案件のクローチャーには通常60票が必要で、可決後も修正協議や本会議での採決が残る。
上院で下院通過版と異なる文言が可決されれば、両院が同じ文言を承認しなければならず、法案は下院の追加対応に戻る。上院側の文案は全面修正案として扱われている。9月15日の手続き投票を越えても、下院が9月17日以降に通常採決を行わない日程では、9月中に上院修正版の可決、下院の再承認、大統領署名まで進む余裕はかなり小さい。
トランプ大統領は9月2日、連邦政府の資金を12月11日まで手当てする短期歳出継続決議に署名した。選挙前の政府閉鎖リスクが当面処理されたため、下院指導部が9月後半の通常採決を維持する必要は薄れた。暗号資産業界にとっては、法案の中身以上に、議会日程の空白が成立までの道筋を圧迫している。
次の節目は、9月15日午後2時15分の上院クローチャー投票となる。この投票で60票を確保できるかが、クラリティ法案が本会議審議へ進むかどうかを左右する。
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